この時だからこそ、できること
この時だからこそ、できること
校長 田中 明子
吹上中学校創立40周年を迎えた令和2年度は、世界中が未曾有の状態に包まれた年でもありました。新型コロナウイルス感染拡大など、先行きが不透明な状況になる一方で、「超スマート社会」の実現をめざして最新ICTの開発は加速化され、時代は急激に変化をしているように感じます。
しかし、PC等の端末は道具であり、人工知能がいかに進化しようとも、与えられた目的の中で処理を行っているに過ぎません。予測不能な未来を切り拓いていく人間の力の基盤は、最先端の「流行」を活用しながら、これまでの学校の「不易」の学びの中で育まれるのではないでしょうか。
これからの学校は、今まで大切にしてきた、「人と人との関わりの中で学び、成長をしていくこと」を継続しながら、未来を生きる生徒に必要な力を育むための改革を躊躇することなく進める必要があります。
中学校は令和3年度から、新学習指導要領が完全実施となり、文部科学省が提唱するGIGAスクール構想が前進します。これらの施策を通して、吹上中学校では、生徒一人一人が自分のよさや可能性を認識するとともに、自 分も他の人も大切にしながら、多様な人々と協働し、粘り強く生き抜く力を育んでいきます。
この理念は、これまで吹上中学校が目標としてきたことと変わりはありません。時代の変化とともに必要な改革に挑戦しながら、創立40周年のテーマ「命をつなぐ」の想いを次の時代に継承していきたいと思っています。
緊急事態宣言下で、臨時休校を経て始まった令和2年度は、何事も思うようにできませんでしたが、その環境下で新しい学校生活を送った吹中生は、見事に環境に順応して「今できること」に集中し、逞しく成長しました。教職員は、生徒のために「この時だからできること」を模索し続け、工夫を凝らしてきました。特に、「命を守ること」を第一として、生徒も教職員も同じ気持ちで学校生活を送ってきたので、「この時だからこそ」培えた絆があるように感じます。
何よりも、御家庭で支えてくださった保護者の皆様、登下校を見守ってくださった地域の皆様の御理解と御協力をいただいたからこそ、怒涛の令和2年度を修めることができました。心より感謝申し上げます。
令和3年度も、吹中生の成長が皆様の明るい未来への希望になるように取り組んでまいります。変わらぬ御支援をどうぞよろしくお願いいたします。
