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美術館だより2014年7月3日号その1「藤本工房見学会実施」
人間国宝の制作の現場を間近で体感できる貴重な見学会
6月14日(土曜日)に、藤本工房の見学会が実施されました。
藤本の弟子で、今も工房で制作を続ける陶芸家・廣瀬義之氏に案内していただきました。さかんに質問をし、メモをとるなど、参加者のみなさんは熱心に説明を聴いていました。
焼成に使用されていた窯。温度管理は念入りに行われていたそうで、記録をとっていた折れ線グラフもあります。
絵付けを行っていたアトリエ。筆や絵皿などが当時のまま残されていて、制作の様子が目に浮かぶようです。
絵付けの色見本。藤本の色絵磁器の特徴は、なんといっても中間色の豊富さにありますが、それらは試行錯誤の末に生まれたものだといいます。色を作る様子も見せていただきました。
「釉描加彩」のうち、「梅白釉」という種類の釉薬は、工房のある梅郷の梅の木を燃やした灰を混ぜたものを使ったそうです。さらに、青梅の大門でとれた土を使ったものや、同じく青梅の河辺でとれた木を燃やした灰を使った釉薬によるものなど、青梅産ともいうべき陶磁器もありました。藤本が、まさに青梅に根差した陶芸家であったということがよくわかります。
人間国宝の制作の現場を間近で体感できる、大変貴重な見学会となりました。
問い合わせ
青梅市立美術館
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