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公的年金からの特別徴収(引き落とし)制度について
平成21年度の税法改正により、市民税・都民税を公的年金から特別徴収(引き落とし)する制度が導入されました(平成20年4月30日に公布された「地方税法等の一部を改正する法律」により、「地方税法第三百二十一条の七の二」が改正され、公的年金等の所得に係る個人の市町村民税の特別徴収が定められました。)。
この制度は、年金受給者が支払うべき市民税・都民税(以下、住民税と読み替えます)を年金保険者(日本年金機構など)が年金から特別徴収(引き落とし)し、市区町村に納めるよう納税方法を変更するものです。これにより、新たな税負担が生じることはありません。
特別徴収(引き落とし)されるのは、前年中の公的年金等の収入金額に係る所得から計算した住民税です。給与所得や事業所得などの金額から計算した住民税は、これまで通り別途納めていただくことになります。
引き落とされる税額及び引き落としの対象となる年金等については、毎年6月に市区町村から送付される「市民税・都民税納税通知書」に記載されていますのでご確認ください。以下、「公的年金からの特別徴収制度の概要」についても合わせてご参照ください。
平成28年度から公的年金からの特別徴収制度の改正があります。詳細は平成28年度市民税・都民税(住民税)の主な改正点をご覧ください。
公的年金からの特別徴収(引き落とし)制度についてご理解とご協力をよろしくお願いします。
公的年金からの特別徴収制度の概要
目次
- 制度導入の目的
- 特別徴収の対象となる方
- 特別徴収の対象となる年金
- 公的年金から特別徴収される税額
- 制度の運用開始時期
- 特別徴収税額の徴収方法および徴収時期
- 公的年金からの特別徴収(引き落とし)が停止される場合
- よくある質問
制度導入の目的
公的年金受給者の方の納税の便宜、市区町村における徴収事務の効率化を図るために導入されます。
これまでは公的年金受給者の方は、住民税を「個人」で市区町村へ納付していただいていました。
しかし、制度導入により住民税は日本年金機構(旧社会保険庁)などの「年金支払者」が公的年金から特別徴収(引き落とし)し、市区町村に直接納めるようになります。このため、「個人」で金融機関等に出向いたり、現金を用意したりする必要がなくなります。
本制度は住民税の納税方法を変更するものであり、新たな税負担が生じるものではありません。
特別徴収の対象となる方
前年中に公的年金等を受給している65歳以上の方で、その年度の4月1日に「特別徴収の対象となる年金」を受給している方が対象です。
【例:平成25年中(またはそれ以前)から公的年金等を受給しており、平成26年4月1日時点で65歳以上の方】
ただし、以下の場合には対象となりません。
- 公的年金の年額が18万円未満である場合
- 介護保険料が公的年金から特別徴収されていない場合
- 特別徴収税額が公的年金の年額を超える場合
- 市民税・都民税が非課税、または公的年金に対する税額が発生しない場合
特別徴収の対象となる年金
住民税の特別徴収の対象となる年金は、国民年金、厚生年金、共済年金の老齢または退職を支給事由とする年金のうち、介護保険料が特別徴収されているものです。
遺族年金や障害年金等の非課税収入である公的年金から特別徴収されることはありません。
公的年金から特別徴収される税額
公的年金からの特別徴収の対象となる税額は、公的年金等の収入に係る所得に対する住民税の所得割額および均等割額のみです。
なお、公的年金等の収入に係る所得以外の所得(給与所得、事業所得など)に対する税額は公的年金からの特別徴収の対象とはなりませんので、その分に係る住民税については、給与からの特別徴収または普通徴収(納付書、口座振替での納付)で納めていただきます。
【例:給与、不動産、年金の3種類の所得をもっている方の場合】
税額を算出する時点ではすべての所得を合せて課税計算を行いますが、年金特別徴収の対象となるのはあくまで年金の所得に係る
課税対象所得 | 給与所得 | 不動産所得 | 年金所得 | |||
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住民税額 | 全所得を合算して算出 | |||||
徴収方法 |
給与からの特別徴収または 普通徴収(納付書、口座振替) |
年金特別徴収 |
公的年金等の収入に係る所得は本来、「雑所得」という扱いになりますが、ここでは「年金所得」と読み替えています。
制度の運用開始時期
本制度は平成21年度から導入されています。
特別徴収の対象となる条件を満たした方から、順次年金からの特別徴収を開始いたします。特別徴収の対象になった際には、毎年6月に市から送付される「市民税・都民税納税通知書」でお知らせいたしますので、そちらで特別徴収される金額等をご確認ください。
特別徴収税額の徴収方法および徴収時期
個人住民税の課税決定は毎年6月に行われます。その年度の住民税額は「○○年度市民税・都民税納税通知書」として決定時(6月)に送付いたしますので、そちらで税額等をご確認ください。
特別徴収税額の徴収方法および徴収時期は以下のとおりです。
特別徴収の対象となった初年度とそれ以降の年度で納付方法が変わりますのでご注意ください。
1.特別徴収初年度
.新たに特別徴収の対象となった方は、年度の前半(6月・8月)は年税額の2分の1を普通徴収(納付書、口座振替)で納めていただき、残りの半分を年度の後半(10月・12月・翌年2月)から始まる公的年金からの特別徴収で納めていただきます。
【注意】特別徴収初年度の方は必ず年度の後半(10月の年金支給分)から特別徴収が始まります。
年税額 | ||||||||||
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普通徴収(年税額の2分の1) | 年金特別徴収(年税額の2分の1) | |||||||||
6月 | 8月 | 10月 | 12月 | 翌年2月 | ||||||
年税額の4分の1 | 年税額の4分の1 | 年税額の6分の1 | 年税額の6分の1 | 年税額の6分の1 |
年税額(24,000円) | ||||||||||
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普通徴収(12,000円) | 年金特別徴収(12,000円) | |||||||||
6月 | 8月 | 10月 | 12月 | 翌年2月 | ||||||
6,000円 | 6,000円 | 4,000円 | 4,000円 | 4,000円 |
2.前年度から引き続き、公的年金からの特別徴収が行われる方(特別徴収2年目以降)
特別徴収が行われる前半部分(4月、6月、8月)は前年度最後の徴収月(2月)と同額を継続して徴収(仮徴収)し、後半部分(10月、12月、翌年2月)においては、6月に確定した年税額から前半(仮徴収)で徴収した税額を差し引いた残額を3分の1ずつ徴収(本徴収)します。
【注意】2年目以降に行われる仮徴収については、新年度の年税額が確定する前に予め徴収する仕組みとなっています。新年度の税額決定において、仮徴収されていた金額が年税額を上回っていることが判明した際には、後日差額分の還付等の通知をお送りしますので予めご了承ください。
年税額 | ||||||||||||||
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年金特別徴収(仮徴収) | 年金特別徴収(本徴収) | |||||||||||||
4月 | 6月 | 8月 | 10月 | 12月 | 翌年2月 | |||||||||
前年度の 2月と同額 |
前年度の 2月と同額 |
前年度の 2月と同額 |
(A)の3分の1 | (A)の3分の1 | (A)の3分の1 |
(A)=年税額-仮徴収税額(4、6、8月の合計)
年税額(15,000円) | ||||||||||||||
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年金特別徴収(12,000円) | 年金特別徴収(3,000円) | |||||||||||||
4月 | 6月 | 8月 | 10月 | 12月 | 翌年2月 | |||||||||
4,000円 | 4,000円 | 4,000円 | 1,000円 | 1,000円 | 1,000円 |
4、6、8月は上記の【例1】における2月徴収税額を引き継ぎます。
(A)=15,000円-(4,000円×3回)=3,000円
特定の事情により一度特別徴収が中止となった後、翌年度以降再度特別徴収の対象となる場合、その年は特別徴収初年度として改めて徴収税額の計算が行われます。
公的年金からの特別徴収(引き落とし)が停止される場合
年度の途中で状況に変更があったときは、公的年金からの特別徴収(引き落とし)が停止されることがあります。具体的には以下のような場合があります。
- 青梅市から他市町村へ転出等があった場合
- 公的年金に対する税額に変更があった場合(住民税の修正申告、所得税の修正申告等を行った場合が該当します。)
- 公的年金の受給停止等があった場合
- その他、年金支払者から特別徴収(引き落とし)できない旨の通知があった場合
上記事由等により特別徴収が停止された場合、それ以降に特別徴収が予定されていた分については普通徴収(納付書や口座振替による納付)で納めていただくこととなります。
【注意】年金支払者とのデータ授受に一定の時間がかかるため、特別徴収停止の通知後にやむを得ず特別徴収(引き落とし)することがあります。
納め過ぎとなった場合は還付等の通知をお送りいたしますので、予めご了承ください。
よくある質問
(※公的年金等の収入に係る所得は本来、「雑所得」という扱いになりますが、ここでは「年金所得」と読み替えています。)
Q1.どうして公的年金から住民税を徴収するのですか?
A1.公的年金を受給される方の納税の便宜(納税に出向く必要がない、納め忘れがないなど)を図るとともに、徴収の効率化を図るために実施されています。(平成20年4月30日に公布された「地方税法等の一部を改正する法律」により、「地方税法第三百二十一条の七の二」が改正され、公的年金等に係る所得に係る個人の市町村民税の特別徴収が定められました。)
Q2.今までどおりに納付書や口座振替で納めることは選択できますか?
A2.地方税法により、「公的年金等所得に係る個人住民税については、年金から特別徴収の方法により徴収する。」とされており、原則として公的年金を受給されている65歳以上の方で年金所得に係る住民税が課税される方は特別徴収の対象となります。本人による選択は認められていません。
Q3.この制度によって、税額は上がりますか?
A3.本制度が導入されたことによって、住民税額が増えることはありません。この制度は、年金所得に係る住民税の納税方法を変更するものであり、今回の変更による新たな負担は生じません。
Q4.複数の年金を受給していますが、それぞれから特別徴収されるのですか?
A4.特別徴収の対象となる年金は、国民年金、厚生年金、共済年金の老齢または退職を支給事由とする年金ですが、対象となる年金が2つ以上ある場合には、定められた順位に従い、順位の高い年金1カ所から特別徴収されることになります(介護保険料が特別徴収されている年金から特別徴収されます)。
Q5.障害年金(または遺族年金)を受給しており、介護保険料はそちらから特別徴収されています。住民税も障害年金(または遺族年金)から特別徴収されるのですか?
A5.住民税は介護保険料が特別徴収されているものと同一の年金から特別徴収することとなっていますが、障害年金や遺族年金は住民税の特別徴収の対象となる年金とはされていませんので、障害年金や遺族年金から住民税が特別徴収されることはありません。
Q6.公的年金以外にも所得がありますが、その分の住民税も公的年金から特別徴収されるのですか?
A6.年金所得以外の所得(給与所得、事業所得等)に係る住民税については、公的年金から特別徴収されませんので、その分につきましては給与からの特別徴収、または納付書や口座振替(普通徴収)により納めて頂きます。
Q7.今までは年金所得、給与所得に係る住民税はすべて給与から特別徴収されていました。今後も同様にできますか?
A7.年金特別徴収制度の導入により、65歳以上の方の年金所得に係る住民税は給与から特別徴収できなくなりました。今後は、給与所得に係る住民税は給与から、年金所得に係る住民税は年金からそれぞれ特別徴収されます(65歳以上の方でも、特別徴収の対象要件に当てはまらない場合は、普通徴収での納付となります)。なお、年金所得以外の所得(給与所得、事業所得等)に係る住民税については、従来どおり、給与から特別徴収することができます。
Q8.住民税の修正申告を行いました。その後住民税額に変更が加わり、年金からの特別徴収を中止する旨の通知をもらいました。今後はどのように納付すればよいですか?
A8.年度の途中で公的年金からの特別徴収税額に変更があった場合や、青梅市外に転出・死亡等された場合は、公的年金からの特別徴収はできなくなります。それ以降に特別徴収される予定であった税額については、普通徴収(納付書または口座振替による納付)に切り替わりますので、改めてお知らせいたします。
また、年金支払者側の処理の都合により、特別徴収の停止が間に合わず、通知後にも住民税が引き落とされてしまう場合があります。納めすぎとなった場合には後日、還付等の通知をお送りしますので、予めご了承ください。
公的年金からの特別徴収(引き落とし)制度についてご理解とご協力をお願いします。