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【健康コラム】高血圧
平成30年度青梅市特定健診の質問票の集計結果によると、血圧を下げる薬(高血圧症の薬)を服用している人は、37.2%と大変身近な疾患です。青梅市では、東京都の平均(30.9%)と比べても多い状況です。(法定報告平成30年度実績より)
高血圧、どんな病気?
心臓から送りだされた血液が血管を流れるときに血管の壁に与える圧力を「血圧」といいます。高血圧とは、血管に圧力がかかり過ぎている状態のことで、収縮期血圧(上の血圧)140mmHg以上、拡張期血圧(下の血圧)90mmHg以上の両方、またはどちらかが該当したら高血圧症とされています。
油断大敵!高血圧
高血圧は、サイレントキラー(静かなる殺し屋)と呼ばれるように、自覚症状がほとんどありません。そのため、健診等で指摘されても放置してしまう場合が多く見られます。高血圧を放置すると、血管に圧力がかかり続け、それに耐えるため血管が固く厚くなり弾力を失います。そのため、血管内に傷がつきやすくなり、さらにそこにコレステロール等がたまると、血管は狭くなり動脈硬化を促進させます。恐ろしいのは、症状が無いままこのように動脈硬化が進行していき、突然命にかかわる病となって襲ってくる可能性があることです。
高血圧が引き起こす三大病
- 脳卒中・・傷つきもろくなった血管に高い圧がかかり、血管が破れると脳出血を、血管がつまると脳梗塞を引き起こします。血圧が高いほど脳卒中死亡率が高く、正常血圧の人の約3~4倍にもなります。
- 心臓病・・・心臓に栄養と酸素を送る役割のある血管が狭くなると狭心症を、つまると心筋梗塞を引き起こします。喫煙習慣があるとさらに発症の危険性が高くなります。
- 腎臓病・・・腎臓は細い血管の集まりです。腎臓の血管が傷つくと腎機能が低下し老廃物が排出できなくなります。
高血圧を予防するには?
高血圧の多くは遺伝素因(先天的要因)と環境要因(後天的要因)が影響して発症するとされています。環境要因(後天的要因)は予防可能です。最近では血圧が140/90mmHg未満であっても、130/80mmHg以上は「高値血圧」となり、いわゆる「血圧高め」と位置づけられ注意が必要とされています。「ちょっと高めだけど症状がないから大丈夫」「ちょっと高めだけど様子をみよう」で済ますのではなく、そのちょっとの段階で気づき、食事の内容や、運動、禁煙等の生活習慣を早めに見直すことが大切です。ぜひ、1年に1回の健診を習慣にして、病気の予防・早期発見に役立てましょう。
(自分の値と比べてみましょう)
家庭での血圧測定が大切です
「白衣高血圧」という言葉をご存じですか?家で測定すると低いのに、病院や診療所で先生の白衣をみたりするとその場の雰囲気で不安や緊張状態になり、血圧が上昇してしまうことをいいます。
血圧は常に一定ではなく、環境・時間・体の動き・精神状態などによって変化しています。自分の正しい血圧の値がどれくらいなのかを把握するために、病院で測るだけではなく、家庭でいつもの生活をしているなかでの血圧を測定することが大切です。
家庭での血圧測定のポイント
- 座位で毎日同じ時間で(同じ環境で)
- 排尿(排便)後に
- 食前、服薬前に
- 測定する腕と心臓は同じ高さに
- 寒すぎず、暑すぎない適当な室温の部屋で
- リラックスした状態のなかで
- 着衣に注意(裸腕または肌着や薄いシャツ程度)
- 血圧計は上腕で測定できるものを
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