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令和6年青梅市議会定例会令和7年2月定例議会が、令和7年2月18日から開かれました。この議会には、令和7年度の一般会計予算などの議案が上程されています。大勢待市長は、市議会の初日に令和7年度の施政方針を発表しましたので、ここに全文を掲載します。(本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。)
令和6年青梅市議会定例会 令和7年2月定例議会の開会に当たりまして、新年度の市政運営に対します施政方針を申し上げ、議員各位をはじめ、広く市民の皆様の御理解を賜りたいと存じます。
さて、昨年を振り返ってみますと、元日に、能登半島地震が発生し、さらに、9月には、同地域を豪雨災害が襲いました。
この二つの天災により、多くの尊い命が失われ、今もなお、避難生活を余儀なくされている方々も少なくありません。
改めて、亡くなられた方々の御冥福を心よりお祈りし、被災されました方々にお見舞い申し上げます。
被災地域の一日も早い復興を願っております。
この能登半島地震により、甚大な被害を受けられた日本航空大学校石川および日本航空高等学校石川が、昨年の春から、旧明星大学青梅キャンパスへ、一時避難をされてまいりました。
この一時避難は、日本航空学園の学生達の“学びの継続”を第一に考慮し、明星学苑が3年間無償でのキャンパス貸与を英断されたとのことでありました。
本市での新たな生活がはじまり、間もなく一年が経とうとしている中、先日、2月8日には、青梅キャンパスで初めての卒業式が行われ、私も出席させていただきました。
一人ひとりの学生が、多くの困難を乗り越え、この青梅の地で、しっかりと学修に励み、それぞれの夢や希望を胸に抱いて、新たな世界に巣立っていく姿に、深い感銘を受けました。
一方、昨年の明るい話題としましては、7月から9月にかけ、フランス・パリで開催されたオリンピック・パラリンピックの日本選手団の活躍が挙げられます。
このオリンピックにおいて、日本選手団は、金メダル20、 銀メダル12、 銅メダル13と、海外大会では、過去最多となる計45個のメダルを獲得しました。
女子やり投げの北口榛花選手をはじめ、最終種目の鉄棒で逆転優勝となった体操の男子団体、スケートボード男子の最終滑走で大技を決め、2連覇を果たした堀米雄斗選手、また、パラリンピックでは、自転車の女子個人ロードレースで、オリンピック・パラリンピック史上において、日本人最年長となる53歳で、見事2連覇を果たした杉浦佳子選手など、最後まで諦めずに挑戦し、見事、金メダルを獲得した その姿からは、夢と希望、そして大きな感動を受けました。
さらに、国境や言葉の壁を超え、それぞれのスポーツにおいて共通のルールで繋がる姿や、選手同士が互いを認め合うフェアプレーの精神からは、改めてスポーツの持つ素晴らしさを強く感じました。
私自身も、市政運営のリーダーとして、一人ひとりの市民の皆様が、真に活躍することが出来るまちづくりを推進していくため、様々な課題に対して、決して諦めず、臆することなく、積極果敢に挑戦していく決意を改めて強く持ったところであります。
こうした決意のもと、予算編成を行った新年度一般会計当初予算につきましては、物価高騰の影響を受けている市民や事業者を支援していくための重点支援地方交付金なども加えた結果、 令和6年度と比較し、 率で11.3パーセント、 66億5千万円の増、過去最大となる654億5千万円を計上いたしました。
それでは、新年度に取り組む主な施策について、「第7次青梅市総合長期計画」の各施策の分野に沿って申し述べます。
はじめに、「歴史・文化・生涯学習」について申し述べます。
一昨日、第57回青梅マラソン大会が開催されました。
高橋尚子さんをスペシャルゲストとしてお招きし、スペシャルスターターをプロフィギュアスケーターの高橋大輔さんに務めていただきました。
全国からお出でいただいた多くのランナーを、万全の態勢で、早春の青梅路にお迎えすることができました。
私自らも10キロメートルの部に出場し、沿道の皆さんからの激励・声援をいただきながら、多くのランナーとの交流も楽しみ、ゴールをすることが出来ました。
改めて、青梅マラソンの素晴らしさ、楽しさを実感することが出来ました。
さて、新年度より、いよいよ青梅エクストリームスポーツパークがオープンいたします。
昨年のオリンピックでも日本選手の活躍が注目されたスケートボード競技など、将来、 世界に羽ばたく若者たちが青梅の地で技を磨いてきたと言えるよう期待しております。
また、障がいの有無に関わらずスポーツに親しむことができるパラスポーツや年齢を問わず行うことができるeスポーツなどの体験機会の確保、青梅の自然を活かした、 カヌーをはじめとする多様なスポーツの体験イベントも実施してまいります。
その他、7月には、東京都が主体となって、国際自転車ロードレースである「THE ROAD RACE TOKYO TAMA2025」が開催されます。
青梅市内では、青梅駅前交差点がゴールになるなど、メイン会場のひとつとなります。
関係機関とも連携し、盛大な大会の開催となるよう、協力してまいります。
市民ホールの建設を含む文化複合施設等の整備につきましては、将来の青梅の文化拠点として、長く市民に親しまれ、文化を発信する象徴的な施設となるよう、引き続き、「整備基本計画」の策定を丁寧かつ着実に進めてまいります。
文化財の保存と活用についてであります。
本市には、先人たちから継承されてきた、多くの貴重な文化財や伝統文化があります。
東京都指定有形文化財の「旧吉野家住宅」につきましては、保存活用計画にもとづき、引き続き整備を進めながら、地域の方々や教育機関と連携し、郷土の歴史を学ぶ場としての活用も図ってまいります。
また、同じく東京都指定有形文化財である「馬場家御師住宅」においても、玄関の大襖修復 などについて、東京都とともに、費用の補助を行ってまいります。
これら多くの文化財を、後世に伝えていくために、引き続き、計画的な保存と積極的な活用を図ってまいります。
美術館につきましては、空調や照明設備等の改修工事を行い、令和9年度には皆様に、よりよい環境となった美術館で、多くの企画展示などを楽しんで頂けるよう準備してまいります。
また、休館中においては、収蔵品管理システムの導入など、ソフト面の充実にも取り組んでまいります。
図書館についてであります。
本市では、こどもたちの紙の本を利用する割合がまだまだ高いものの、年代が上がるにつれ、電子書籍での利用率が高まってきております。
新年度は、図書館システムの更新を行うとともに、市民がいつでもどこでも図書館利用ができる電子書籍の貸し出しサービスを開始いたします。
こどもから高齢者まで、誰でも利用しやすい図書館を目指し、引き続き、図書館機能の充実に努めてまいります。
次に、「こども・若者・教育・子育て」について申し述べます。
「こどもがまんなかのまちづくり」を基本方針とする、「青梅市こども計画」が新年度から、いよいよスタートします。
基本目標として、「こどものウェルビーイングの実現」、「こどもの成長に応じた子育ち・子育ての支援」、「安心して産み・育てることができる環境の確保を図る」を掲げ、各種施策に取り組んでまいります。
子育て支援についてであります。
本市で“こどもを産み、育てたい”と思っていただけるよう、安心して子育てができる 環境の確保が急務であります。
新年度から、妊婦のための支援給付および妊婦等包括支援事業が制度化され、より充実した内容となります。
引き続き、経済支援と相談支援を一体的に実施し、妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援に努めてまいります。
産後ケア事業については、心身のケアや育児のサポートを必要とする母子の利用を促すため、利用期間の延長ならびに日帰り型事業の自己負担の引き下げを行ってまいります。
また、育児支援ヘルパーについては、利用できる期間を妊娠後から産後12か月までに拡大するとともに、利用時間は1回3時間以内、第1子の場合、最大60時間まで拡大し、さらに多胎児の場合、最大120時間までを新設いたします。
これらの取組みを実施し、育児や家事の負担の軽減を図ってまいります。
高校生等医療費助成事業について、これまで保護者の所得制限を設けていたものを、新年度から所得制限を撤廃し、助成対象者の範囲を拡充いたします。
さらに、幼児教育・保育施設に通う3歳以上のこどもたちの副食費については、多摩地域の他市に先駆け、本市独自で、保護者が園に支払う額の無償化に向け、補助を大幅に増額いたします。
こうした取組みにより、保護者の経済的負担軽減につなげてまいります。
新たに、市内保育施設に対し、医療的ケア児を預かるための備品購入に関する費用の一部を補助することで、受け入れを促進するとともに、保護者が安心してお子様を預けられる環境を整えてまいります。
学校教育についてであります。
良質で質の高い学びを実現するためには、安全・安心な教育環境の整備が重要であります。
小中学校の照明LED化や外壁等の改修工事、成木小学校の児童用通学バスにおける第七中学校の生徒の試験的な利用など、引き続き実施してまいります。
児童・生徒数の減少や、学校施設の老朽化等に対応し、青梅市の地域性および特性に即した将来の教育環境の充実を図るため、「青梅市立 学校施設のあり方審議会」に おいて、学校施設再編に関する協議を継続いただきます。
経済的な理由で教育費の支出が困難なご家庭に対する教育費の一部援助については、電子申請も可能となるよう整備し、保護者の利便性の向上を図ってまいります。
障がいのある児童・生徒に対する支援については、一人ひとりの能力や可能性を最大限発揮できるよう「青梅市特別支援教育実施計画 第七次計画」を策定し、特別支援教育・インクルーシブ教育を推進してまいります。
新しい学校給食センターの整備については、今月、新調理場の建設工事に着手いたしました。令和9年度からの供用開始を目指し、着実に進めてまいります。
本市では、今年度から公立小中学校の給食費の無償化を行っております。
新年度からは、全てのこどもを誰一人取り残さないという信念のもと、今まで対象と ならなかった私立等の小中学校に通うこどもたち、アレルギーや病気等の理由により、学校給食を食べられないこどもたちのため、給食費相当額の給付事業を開始いたします。
こうした各種の施策を、こどもまんなか応援基金も活用しながら推進し、こども・若者たちが将来の夢を実現できるよう応援するとともに、希望を持って健やかに育っていけるまちを目指してまいります。
次に、「健康・医療・福祉」について申し述べます。
今年度末、本市が「健康寿命日本一のまち」を目指すための歩むべき道を示す「青梅市健康づくり推進計画」を新たに策定いたします。
本計画にもとづき、健康ポイントアプリ「うめPON」を活用したウォーキングイベント等の積極的な実施や、庁内プロジェクトチームによる検討結果も踏まえた健康寿命延伸のための各種事業等の情報発信を行ってまいります。
行政、事業者および市民が、健康づくりと食育に資する各種取組を着実に実施してまいります。
また、帯状疱疹の予防接種について、定期接種へと移行されることから、着実な発症予防に取り組んでまいります。
医療についてであります。
市立青梅総合医療センターでの出産につきまして、無痛分娩の導入を、まず本年7月から試行で開始し、10月より本格実施いたします。
出産時の痛みへの不安解消から、産後の回復を早め、妊娠中や産後のうつを防ぐことなど、安心して出産できる環境を整備してまいります。
また、6月には、新たな緩和ケア病棟16床をオープンし、がんの進行などに伴う体や心のつらさを和らげる医療・ケアを提供いたします。
こうした新病院建設事業を着実に継続し、これからも、西多摩の核として地域の民間病院や診療所と連携し、誰もが安心して適切な医療を受診できる環境を整えてまいります。
地域福祉についてであります。
全ての人が尊重し合い、元気に活躍できる、地域共生社会の実現のためには、市民一人ひとりが地域の中で、生きがいや役割を持ち、地域全体で見守り、支え合うことが必要不可欠であります。
その一環として、各市民センター等を利用した地域福祉コーディネーターによる身近な福祉相談を引き続き実施するとともに、地域の社会資源などを活用した参加支援、交流の場や、居場所といった地域づくりを行ってまいります。
高齢者福祉についてであります。
住み慣れた地域で、いきいきと暮らし続けるためには、人や地域のつながりが大切であります。
そのために介護ボランティアポイント事業を実施し、高齢者にとっての生きがいの創出や介護予防の推進を図るとともに、介護人財対策の一助として、それぞれの地域での居場所、活躍の場をつくってまいります。また、高齢者の会食を通じた交流の場の設置に取り組む団体を支援してまいります。
さらに、70歳以上の一人暮らしの方向けのIoT電球を活用した高齢者見守りサービスのほか、認知症の早期診断・早期対応を促すための認知症サポート検診事業を開始いたします。
介護保険においては、認知症の方が共同生活を行うグループホーム、訪問・通い・泊まりといった 多様なサービスを提供する小規模多機能型サービスをさらに一か所ずつ整備してまいります。
安定した介護サービスの提供には、多くの人財が必要不可欠であります。
介護サービス事業者との協働による、市内中学校、高校等での介護体験の実施、介護職員のインタビュー動画の発信や冊子の配布を通じて、更なる普及啓発に取り組んでまいります。
こうした取組みを着実に重ね、高齢者が安心して本市で暮らせる環境を整備してまいります。
障がい者福祉についてであります。
インクルーシブ社会の実現に向け、一人ひとりの障害特性や生活状況に応じて必要な支援を受けることができるよう、ふれあい福祉基金を活用し、自立センターの改修工事を行い、福祉サービスを提供できる体制を整備してまいります。
次に、「都市基盤・防災・安全」について申し述べます。
12月に、本市におけるこれからの都市計画やまちづくりの総合的な指針を示す「青梅市都市計画マスタープラン」を改定いたします。
多種多様な形態の土地を有する本市の地域特性や実情を踏まえ、持続可能かつ戦略的なまちづくりを推進してまいります。
圏央道青梅インターチェンジ北側の物流拠点整備につきましては、昨年、土地区画整理組合が正式に設立され、造成工事に着手いたしました。
新年度からは、敷地内を貫く、都市計画道路の整備に着手予定であります。
引き続き、土地区画整理事業が着実に進められていくよう組合や業務代行者に対する支援を行い、新たな産業拠点の形成を図ってまいります。
青梅駅前地区市街地再開発事業につきましては、昨年から建築工事が開始され、 これまで工事は順調に進められております。
青梅駅周辺の新たな賑わいの創出に向け、引き続き、再開発組合に対し、必要な 協力・支援を着実に行ってまいります。
公園の整備についてであります。
青梅の森につきましては、その玄関口でもある永山公園 風の子・太陽の子広場に おいて、来月、体験小屋の新築や管理棟がリニューアルいたします。
新年度からは、環境学習や自然環境調査、コミュニティの場などとして、周辺環境との一体的な有効活用を図ってまいります。
また、しょうぶ公園およびわかぐさ公園の劣化した園路等を改修し、快適に歩ける環境に整備するほか、わかぐさ公園には、「誰もが遊べるインクルーシブ遊具」を導入し、ユニバーサルデザインに配慮した公園整備を推進してまいります。
なお、この遊具等の整備については、モーターボート競走事業からの繰出金を活用してまいります。
公園・緑地等では、利用者等の安全対策として、ナラ枯れや枯損木などによる危険な状態の樹木伐採および剪定を重点的に実施するほか、近年市内で熊の出没情報が多く寄せられている状況を踏まえ、トレイルカメラを活用した調査を行い、獣害対策に活かしてまいります。
公共交通についてであります。
令和5年度から、河辺町一丁目から三丁目地区において、グリーンスローモビリティの実証運行を行ってまいりました。
新年度からは、この分析結果を踏まえ、新たな公共交通の導入に向け、取り組んでまいります。
また、本年1月から試行的に実施している、高齢者等への移動支援を目的とした、マイナンバーカードを活用したタクシー運賃助成事業についても、新年度に本格実施へと移行してまいります。
その他、ライドシェアやデマンド型交通等についても導入に向けた検討を進める等、 地域の特性や移動ニーズ等を踏まえ、公共交通空白・不便地域の解消と持続可能な公共交通の確保を図る取組みを推進してまいります。
交通安全対策では、自転車ヘルメット購入費用助成を、新年度、市内の店舗であればどこでも対象となるよう申請方法を見直し、ヘルメット着用の普及啓発に努めてまいります。
道路整備につきましては、計画的な保全・維持管理を図るとともに、東青梅地区における、都市計画道路3.5.5号線、市域の南北を結ぶ3.5.24号線の道路整備をはじめ、 青梅地区におけるキネマ通りのこ線橋の架け替えに向けた協議や設計等を進めてまいります。
下水道事業についてであります。
本市における公共下水道事業は、着手から50年が経過したものの、全国に先駆けて平成6年から実施している管路包括委託により、管きょの健全化および維持管理費用の低減が図られております。
引き続き、快適で安全な生活環境向上のため、管きょやポンプ場などの下水道施設の修繕・改築を計画的かつ適切に行ってまいります。
また、御岳山事業区域の整備完了に向け、引き続き、地元との協議や連絡管等の管きょ整備など、着実に進めてまいります。
防災・安全についてであります。
指定避難所である東青梅および河辺市民センター体育館につきまして、近年の猛暑による熱中症対策として、空調設備を導入し、安全かつ快適に利用できる環境を整えてまいります。
また、各避難所における備蓄物資の更新などを適宜行うとともに、昨年、被災地支援として輪島市へ派遣した職員等の知見も活かしながら、いつ起こるかわからない災害に対する備えを整えてまいります。
今年度、ドローン技術を持つ市内事業者と協定を締結いたしました。
昨年11月24日に実施した総合防災訓練におきましても、ドローンによる被害状況 確認訓練を行ったところであります。
こうした事業者等と連携し、効果的な防災・減災対策を進めてまいります。
さらに消防体制の強化として、消防団の機能維持に向け、団本部と引き続き、協議を進めてまいります。
治水対策につきましては、豪雨時の河川からの溢水や道路冠水等の被害を軽減するため、引き続き、矢端川流域の雨水対策を進めてまいります。
次に、「自然・環境・エネルギー」について申し述べます。
「2050年カーボンニュートラル」を実現するための方向性を示すため、「青梅市環境基本計画」および「青梅市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」を今年度末に改定いたします。
これらの計画にもとづき、社会情勢や地域の実情などを踏まえ、基本計画の目指す環境像 「美しい自然のふるさと青梅~持続可能な未来を共創するまち~」を実現してまいります。
また、新年度、「青梅市みどりの基本計画」を改定いたします。
「豊かなみどりを活かし、人とみどりが共生するまち 青梅」を基本理念として掲げ、みどりを「まもる、育てる、活かす」取組みを進めてまいります。
森林対策についてであります。
令和7年度から令和10年度までの4年間をモデル期間とし、東京都の自治体では初となる、森林経営管理制度を活用した、森林整備を開始いたします。
本市の面積の6割以上を占める森林の持つ 二酸化炭素の吸収効果の向上などの ため、適正な管理が継続されていくよう、まず、対象区域を選定し、事業実施の体制整備を推進してまいります。
釜の淵公園周辺における取組みについてであります。
新年度、釜の淵公園河川敷で排出されるごみの種類などの傾向を分析する実態調査を行います。
河川敷利用者が多いゴールデンウィーク、夏休みおよびシルバーウィークにおいて、 それぞれ数日程度、ごみを無料回収し、その量や回収における費用等の分析を行う予定であります。
釜の淵公園周辺環境の整備につきましては、地域住民の方々の声も丁寧にお聞きし、国土交通省京浜河川事務所とも協議を行い、今後の方策を検討してまいります。
また、引き続き、地域で活動されている関係団体と協力し、ごみ放置対策マナーアップキャンペーンなどを実施してまいります。
ごみの収集についてであります。
新年度から、ごみ減量化や、生活環境の維持向上として、小型充電式電池を、新たに「有害ごみ」の取扱品目に追加し、収集を開始いたします。
また、年末年始における「容器包装プラスチックごみ」の未収集間隔の短縮を図るため、収集日の変更を行い、各ご家庭におけるごみの排出方法の改善を図ってまいります。
分煙対策についてであります。
現在、河辺駅北口には、パーテーション型の喫煙ブースが設置されておりますが、駅や河辺びっぐぷらむの歩行者および近隣施設の利用者からも、分煙対策が不十分であるとのご指摘をいただいているところであります。
このような現状を改善するため、本市初となる屋外密閉コンテナ型の喫煙ブースを設置し、10月頃より供用を開始いたします。
喫煙される方も、そうでない方も 気持ちの良い環境となるよう努めてまいります。
青梅駅前の公衆トイレ改修についてであります。
青梅駅周辺で実施している電線共同溝整備工事と調整を図りながら、快適さや 清潔さを重視したデザイン性の向上と、バリアフリートイレ等のスペース拡充も検討し、設計を行ってまいります。
次に、「地域経済」について申し述べます。
新型コロナウイルス感染症や昨今の物価・燃料費高騰を起因とし、企業活動や生活様式に大きな変化が生じたことで、デジタル化の急速な進展や新しい働き方への対応など、各事業者を取り巻く環境は目まぐるしく変化しております。
こうした中、経済に好循環を生み出し、地域を発展させるための原動力である基盤産業が、付加価値の向上による「稼ぐ力」を高め、引き続き、市内で事業を継続できる
よう、「おうめ ものづくり等支援事業」において、企業間の交流・連携に資する事業等を拡充し、地域経済の活性化を促進してまいります。
また、次期「青梅市商・工業振興プラン」の策定に向け、市内事業者への実態調査を実施するとともに、今後の商工業の発展や、環境整備についての検討を行ってまいります。
農業振興につきましては、「第三次青梅市農業振興計画」が策定から9年が経過し、その間、農地制度の改革や、農業者の高齢化、担い手不足、さらに近年では、肥料や飼料価格の高騰など、農業を取り巻く環境も大きく変化してきております。
新年度は、農業者や関係団体等と協議のもと、「第四次青梅市農業振興計画」を策定し、本市の特性にあった新たな農業振興を図ってまいります。
また、地域の将来の農業の在り方や、農地の効率的な利用に関する目標等を定めた「地域計画」について、引き続き、地域の農業者等との協議の場を経て、策定を進めてまいります。
観光振興についてであります。
この秋から、NHK朝の連続テレビ小説「ばけばけ」が放送されます。
ヒロインの夫のモデルとなっている作家、小泉八雲氏の代表作『怪談』の一遍に収められている「雪おんな」の伝説発祥の地は、かつての西多摩郡調布村、現在の市内調布橋の付近との説があります。
この放送を好機と捉え、「雪おんな」伝説を含む市内各地の「妖怪」に関連したスポットを巡るデジタルスタンプラリーの実施や、妖怪にまつわる講演会の開催等により、本市ならではの魅力を、幅広くアピールし、ひとりでも多くの来訪者をお迎えできるよう取り組んでまいります。
引き続き、「おうめ観光戦略」にもとづき、市内各所の魅力ある施設や場所、イベント等について、インスタグラムをはじめ、WEB動画の配信等、積極的な情報発信を行い、何度も訪れたくなるような、持続可能な観光地づくりを推進してまいります。
移住・定住促進についてであります。
これまで、「青梅市移住・定住促進プラン」にもとづき、移住希望者に寄り添った支援を行ってまいりました。
近年の本市の人口動態の分析を見ると、転入者の数が転出者の数を上回る状態が続いていることからも、これらの取組みが、青梅を選んでいただいた方々の増加につながったものと捉えております。
こうした流れをより強固にするため、新年度からは、第2期目となる「青梅市移住・定住促進プラン」をスタートし、これまでと同様に、青梅を「みつける」、「きになる」、「おためしする」、「きめる」、「くらす」、そして、移住された定住者の方々が青梅の魅力発信に加わる、という好循環を生み出す、「おうめサイクル」を一層加速させてまいります。
さらには、市民と、この好循環により新たに加わる市民が共に「おうめに暮らし続けたい」と思えるよう、定住促進施策についても、さらにパワーアップして取り組んでまいります。
また、新年度に実施する空き家の実態調査などを踏まえ、市街化調整区域における「既存宅地」を活用した移住促進事業の検討に着手し、地域コミュニティの維持にも配慮してまいります。
次に、「行政経営・行政サービス」について申し述べます。
現在、一部の窓口業務の改善に向け、紙ベースの書類を簡単に電子化するサービスの導入について、試験的な運用を重ねております。
この新サービスを本格導入することにより、申請書様式をそのままの状態で電子化し、専用のタブレットを用いて、市民に情報を入力していただくことが可能となります。
来庁される市民の負担軽減を図り、スムーズな申請手続きと業務の効率化を推進してまいります。
また、介護サービス事業所の指定等に関する届出につきましては、ICT化促進を支援するため、説明会を開催する等(など)、各事業所と利用者双方の利便性の向上に向け、取り組んでまいります。
「デジタル推シン・オウメ ~アクションプラン2024・2025~」に掲げる、『「行政サービスを変える」「市役所を変える」「地域社会を変える」』の「3つの変える」の実現に向け、一歩一歩着実に歩みを進めてまいります。
行政情報の発信についてであります。
誰でも利用が可能であることに配慮したアクセシビリティと、利便性が考慮されたユーザビリティの向上が求められている中、閲覧者のニーズに応えるため、新年度、青梅市公式ホームページをリニューアルいたします。
スマートフォンでの閲覧をはじめ、各種情報が更に見やすく、また、市民が知りたい情報をより分かりやすくお届けできるよう努めてまいります。
ふるさと納税の対策強化についてであります。
本市における、ふるさと納税の状況は、令和5年度の実績として、2億5千万円を超える額が他の自治体に流出し、歳入は、4千万円程度にとどまっております。
新年度は、新規返礼品の拡充や、先進自治体への研修視察、コンサルティングなどを導入し、まず、1億円を目指し、取り組んでまいります。
本市の貴重な自主財源であるモーターボート競走事業についてであります。
新年度は、「G1開設71周年記念競走」をはじめ、「G1関東地区選手権」などのグレード競走を開催し、他会計への繰出金は、今年度と同額の28億円を予定しております。
また、現在、場内に多目的スポーツコートなどの施設整備が進められており、若い世代をはじめとした幅広い層の集客にもつながるものと期待をしております。
今後も、関係団体の御理解・御協力をいただきながら、高グレード競走の誘致に努めるなど、持続的な収益の確保を目指してまいります。
次に、「コミュニティ・共創」について申し述べます。
少子高齢化が進行する中、自治会は、人と人とをつなげる地域コミュニティの中心的 パートナーであり、安全・安心のまちづくりに必要不可欠な組織であります。
新年度は、自治会への支援の一つとして、自治会連合会で実施している「すまいるカード」事業に協賛し、市指定収集袋を連合会加盟自治会の全世帯に配布し、自治会の魅力向上と加入促進につなげてまいります。
また、自治会における地域のイベントや交流事業、その他課題解決への取組み等に対し、都の助成が受けられることから、より多くの自治会に有効活用いただくよう、募集の案内や申請手続きのサポートなど、寄り添った支援を行ってまいります。
引き続き、青梅市自治会連合会との連携基本協定にもとづき、地域コミュニティの活性化に向け、共に取り組んでまいります。
市民センターの機能の充実についてであります。
新年度は、沢井市民センターの体育館正面エントランス部改修工事が完了し、市内にある市民センター体育館の全てにスロープが整備されることとなります。
誰もが、安全で、安心して御利用いただけるよう、引き続き、利便性の向上に努めてまいります。
国際交流についてであります。
昭和40年に、ドイツ・ボッパルト市との姉妹都市提携の盟約を結んでから、今年で60周年を迎えます。
これまで、多くの市民の方々によって長い年月にわたり、紡がれてきた、深い絆を将来にしっかりと継承していけるよう、この記念の年をお祝いするとともに、両市の間における尊敬と友情をさらに深められるよう、記念使節団の派遣・受入れ等の事業を行ってまいります。
また、新たに、提案を受けているイタリア・オーメ市やサイパン市との都市間交流についても、まずは、訪問させていただき、交流に向けた対話を行ってまいります。
平和事業についてであります。
昨年12月に、ノルウェーの首都オスロにおいて、日本原水爆被害者団体協議会、いわゆる“日本被団協”が、ノーベル平和賞を受賞されました。
唯一の被爆国である我が国から、長年にわたり核兵器廃絶と被爆者の声を世界に伝え続けてこられた“日本被団協”の活動が、国際的に高く評価され、受賞されたことは、大変意義深いことと感じております。
そして、今年は戦後80年の節目の年であります。
本市においても、被爆体験者による体験語り会や原爆展、中学生を広島へ派遣するピースメッセンジャー事業に加え、戦争体験者へのインタビューや、関連資料を記録映像として後世へ残すとともに、戦争の悲惨さや平和の大切さを、若い世代をはじめ、より多くの方々に伝承してまいります。
以上、新年度の市政運営に当たり、主な施策について述べさせていただきました。
“変わり続けること、挑戦し続けることで、未来は開ける”
青色LEDの発明により、2014年ノーベル物理学賞を受賞された中村修二氏の言葉であります。
この青色LEDの発明により、様々な情報を映し出すデジタルサイネージの視認性が大幅に向上し、明確かつはっきりと多くの情報を伝えることが可能となり、より効率的で持続可能な電子デバイスの開発が可能となりました。
一昨年の選挙により、多くの市民のご支持をいただき、私が、第9代の青梅市長として就任し、ここで、一年以上が経過いたしました。
この間、市政運営のトップとして、リーダーシップを発揮し、多くの課題に対して、しっかりと向き合い、「守るべきものは守り、変えていくべきことは、勇気をもって変えていく」という強い信念を持って、挑戦を続けてまいりました。
これからも、積極的かつ明確な情報発信を心掛け、市民の皆様と本市が目指す方向性を共有しながら、持続可能なまちづくりを推進してまいります。
一人ひとり、すべての市民の皆様が明るい未来を夢見て、希望を抱き、あらゆる挑戦が出来る、そして、「青梅市に住んでいて 本当に良かった」と思えるようなまちづくりに向け、これからも積極果敢に取り組んでいく所存であります。
議員各位をはじめ、市民の皆様の御支援・御協力を心からお願い申し上げ、私の令和7年度施政方針を終わらせていただきます。
長時間の御静聴、ありがとうございました。