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記事ID:0055543 更新日:2022年4月1日更新 印刷画面表示 <外部リンク>

令和4年度施政方針演説

令和3年青梅市議会定例会令和4年2月定例議会が、令和4年2月17日から開かれました。この議会には、令和4年度の一般会計予算などの議案が上程されています。浜中市長は、市議会の初日に令和4年度の施政方針を発表しましたので、ここに全文を掲載します。(本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。)


令和3年青梅市議会定例会令和4年2月定例議会の開会に当たりまして、新年度の市政運営に対します施政方針を申し上げ、議員各位をはじめ、広く市民の皆様の御理解を賜りたいと存じます。

新型コロナウイルスに感染され、厳しい闘病生活をされている方々にお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方々、御家族の皆様に心よりお悔やみ申し上げます。

また、自らも危険に晒されながら、感染対応の最前線で従事されている医療・保健・介護をはじめとした関係者の皆様に、深く感謝申し上げます。

本年度を振り返ってみますと、新型コロナウイルスの度重なる感染の猛威、新たなオミクロン株の市中感染の拡大と、世界的に大きな影響を受けた一年となりました。

こうした中、史上初の1年延期となった東京2020オリンピック・パラリンピックが開催されました。

特に、パラリンピックでは、幾多の困難に立ち向かい、ひたむきに自らの能力の限界に挑むパラアスリート達から、強い感動を受けました。

障害の有無や国籍、性別などに捉われず、全ての人が尊重しあえる社会への一歩を踏みだす、まさに、「共生社会の実現」という大会理念が、多くの人々の心に“レガシー”として残った大会となりました。

このパラリンピックのゴールボール競技において、見事、銅メダルを獲得された本市在住の若杉遙さんが、9月30日、大会結果の報告に訪れてくださいました。非常に厳しい状況下において、日々の努力とたゆまぬ練習を積み重ね、勝ち取った、そのメダルと、御本人の雄姿を間近に見て、改めて強い勇気と感動を受けました。

そして、その笑顔から、大きな“夢と希望”を与えていただきました。

さて、新年度は、「第6次青梅市総合長期計画」の総仕上げの年であるとともに、本市の10年後を見据えた“新たなまちの将来像”を掲げ、その実現に向け、進むべき方針を定める「第7次青梅市総合長期計画」を策定する年であります。

現下における、人口減少や少子高齢化といった社会構造の変化、地球規模での環境・エネルギー問題など、山積する諸課題に対処するため、「守り、受け継ぐべきもの」と「変えていくべきもの」との調和を図り、地域資源を活用した、持続可能なまちづくりを推進していくための新たな計画として策定してまいります。

また、この策定に併せ、今後の本市における教育、学術および文化の振興に関する総合的な施策について、「青梅市教育大綱」として定めてまいります。

次代を担う子どもたちが、自身の好きなことを見つけ、未来を創り、生きる力を培うことのできる教育を目指すとともに、自然、歴史、伝統文化など本市の特性を生かした学びを通じて郷土愛を育み、多様性を尊重できる施策を位置づけてまいります。

新年度、一般会計当初予算は、新型コロナウイルス感染症や進展するデジタル化など、市が直面する様々な課題に対して、果断に対処し、「新たな日常」のもと、誰もが安心して生き生きと暮らせる、「活力ある青梅」の実現を目指すことを基本とし、過去最大となる534億円を計上いたしました。

新型コロナウイルスワクチン接種につきましては、これまで、青梅市医師会や青梅市薬剤師会をはじめ、関係機関と十分な連携を図るとともに、全庁的に総力を挙げて着実に進めてまいりました。

現在は、3回目の追加接種を本格化しております。希望される方に速やかな接種を実施するため、接種間隔を前倒しして対応しているところであります。

また、新たに承認された5歳から11歳の子どもへのワクチン接種についても、安心して受けていただけるよう、接種体制の確保等、準備を進めております。

引き続き、“市民の命を守る”ことを最優先に、強い決意で市政運営に取り組んでまいります。

 

それでは、新年度に取り組む主な施策について、「第6次青梅市総合長期計画」の柱に沿い申し述べます。

はじめに、「都市基盤が整う魅力あるまち」について申し述べます。

圏央道青梅インターチェンジ北側の物流拠点整備についてであります。

本事業は、長年積み上げてきた私の宿願でもあり、本市の活力を生み出す上でも重要な事業であります。この長年の想いが、芽吹く時がやってきました。これまでの、綿密な取組により、本年度は国と東京都による農林調整協議が着実に進んでおります。このことから、新年度内の市街化編入、都市計画決定の告示を目指してまいります。

中心市街地の活性化についてであります。

青梅駅前の再開発事業につきましては、本年度、実施している実施設計、権利変換計画の作成に続き、新年度には工事の着手を目指しております。青梅駅前を含む中心市街地のにぎわい創出のため、青梅駅前地区市街地再開発組合を支援し、事業の推進を図ってまいります。

東青梅1丁目地内諸事業用地等の利活用につきましては、主要施設となる市民ホールについて、懇談会での意見をもとに、形態等について検討してまいります。また、国等の関係機関との協議を更に進めてまいります。

道路事業についてであります。

重要な都市基盤である道路の保全・維持管理を図るとともに、青梅駅前広場からキネマ通りまでの市道青2001号線につきましては、「東京都無電柱化チャレンジ支援事業制度」を活用し、狭あいな道路での電線類地中化事業に取り組んでまいります。また、幹27号線改修事業につきましては、JR東日本と、こ線橋の架け替えに向けた設計協議を進めてまいります。

公共交通についてであります。

社会情勢や人々の行動様式など、公共交通を取り巻く環境は大きく変化しております。そのような変化に対応するため、本年度から、青梅市公共交通協議会にて取り組んでいる、新たな「青梅市地域公共交通計画」を令和4年度末までに策定してまいります。既存の公共交通サービスの改善・充実を図るとともに、地域の移動ニーズにきめ細かく対応できるよう、市民、交通事業者、市が連携して取り組み、持続可能な地域公共交通網の構築を図ってまいります。

下水道事業についてであります。

「青梅市公共下水道ストックマネジメント計画」等にもとづき、中継ポンプ場の設備更新工事、耐震工事等を計画的に実施してまいります。本年度から着手した御岳山事業区域の集落地区および第2連絡管の整備は、早期の供用開始に向けた取組を確実に進めてまいります。また、経営戦略等による効果的な事業推進により、良質な都市生活の実現の一助としてまいります。

 

次に、「活気ある産業で雇用が生まれるまち」について申し述べます。

商工業の振興についてであります。

圏央道青梅インターチェンジ北側の物流拠点の整備は、市経済の呼び水となり、市内事業者の雇用に大きな影響を与えるものと考えています。

「第7次青梅市総合長期計画」の策定に伴い実施いたしましたアンケート結果から、市内の多くの事業者が「人材の確保、雇用の安定に関する支援」を行政に求めていることがわかりました。

新年度においては、奨学金返還支援事業を新たに実施し、従業員の奨学金返済を補助している市内企業を支援することで、地域に定着する人材の確保と、企業の雇用促進を図ってまいります。

また、企業誘致の促進や市内における事業継続の一層の支援を目的として、工業振興対策審議会等の御意見を伺いながら、企業誘致条例の見直しを進めてまいります。

観光の振興についてであります。

昨今、遠出を控え、自宅から2時間程度までの近距離移動による旅行を楽しむ、いわゆる「マイクロツーリズム」が注目されております。

この状況を好機と捉え、東京アドベンチャーラインを展開するJR東日本や、奥多摩町と連携し、観光プロモーションを展開してまいります。

「都心から1時間の別世界」をテーマとし、青梅の自然、文化、食などの多様な魅力を表現した青梅市観光PR動画が、「日本地域情報コンテンツ大賞2021」の読者投票部門において第1 位を獲得しました。この機会を逃すことのないよう、新年度はSNS広告などのデジタル媒体を活用した情報発信を強化してまいります。

なお、これまで取り組んできました「Ome Blue」は、地域の各事業者を中心に広く活用が図られてきました。これからは、市民生活のあらゆる日常の中に、より浸透させていくことで、青梅の知名度向上を図ってまいります。

農業の振興についてであります。

市内農地の集積化を促進するため、農業用水の確保に苦慮している今寺天皇塚水田において、水田の畑地化と農地の集約を行うことで、作業の効率化を図り、生産性の向上につなげてまいります。

また、都市農業を将来にわたって担う、意欲のある認定農業者等に対し、農業機械等の整備を支援し、経営力の強化を図ってまいります。

これらの事業の推進を通じて、生産の基本となる農地の保全や、担い手の育成・確保を図ってまいります。

 

次に、「自然と共生し環境にやさしいまち」について申し述べます。

昨年、ノーベル物理学賞の受賞者に、地球温暖化予測の研究をなされた真鍋淑郎さんが選ばれました。気候に関する分野がノーベル物理学賞を受賞するのは初めてとのことで、気候の変動が世界的に大きな関心事になっていることを改めて感じました。

地球温暖化を食い止めることは、世界共通の課題です。一自治体としても、その責任を果たす役割は大きいものと認識しています。

私は、新年度を本市の『脱炭素元年』と位置付け、様々な取組を進めてまいります。

まず、地元を中心とした企業と脱炭素に関する協定を締結し、継続的な情報共有と協議を重ね、協働事業の展開に向け、検討を始めてまいります。

また、市内の公共施設に、市民が利用できる電気自動車等の充電スポットを新たに設置いたします。市民への電気自動車の利用環境整備を図るとともに、施設の利用者満足度向上につなげてまいります。

庁用車につきましては、初めて水素エネルギー燃料電池自動車を導入するほか、既存車両を、電気自動車へ更新し、温室効果ガスの削減を図ってまいります。

本市は面積の6割以上が森林であり、その森林の適正管理が地球温暖化の防止にもつながるものと認識しています。

新年度は、森林の適切な管理や林業の成長産業化を目的とした森林経営管理制度にもとづき、成木8丁目のモデル地区について、林業経営に適した場所を明確化し、意欲と能力のある林業経営者へつなげるなど、適正な管理を図ってまいります。

これら、市民、事業者、行政における青梅市全体の取組を通じて、2050年までに二酸化炭素の排出量実質ゼロに向けた取組を推進し、ゼロカーボンシティの実現を目指してまいります。

リサイクルの推進についてであります。

「青梅市リサイクルセンター長寿命化総合計画」にもとづき、令和3年度から令和5年度の3か年にかけて青梅市リサイクルセンターの延命化工事を行っております。

新年度においても、基幹的設備の改良工事や、照明のLED化を着実に実施し、施設の延命化を図るとともに、省エネルギー化と二酸化炭素排出量の削減を目指してまいります。

また、紙類の更なる分別による資源化を促すため、雑紙収集啓発袋を市役所や市民センター、各種イベントなどで配布するとともに、紙類の資源化に特化した「ごみ減量・リサイクル通信」の特集号を発行し、紙ごみの更なる資源化を目指してまいります。

 

次に、「持続的な行財政運営ができるまち」について申し述べます。

貴重な自主財源となるモーターボート競走事業についてであります。

私は、就任以来、自ら先頭に立ち、高グレード競走の誘致をはじめ、積極的な姿勢で売上向上のために取り組んでまいりました。

新年度は、地方公営企業法の全部適用に移行し、モーターボート競走事業管理者を新たに設置いたします。より効率的で機動的な事業運営を実現し、安定的かつ更なる収益の確保に取り組んでまいります。

また、4年連続での高グレード競走となるプレミアムGI「ヤングダービー競走」の開催が決定しております。

今後も、私自ら積極的にトップセールスを行い、関係団体等の御理解・御協力をいただきながら、高グレード競走の誘致に努めるなど、更なる収益拡大に取り組んでまいります。

効率的な行政運営についてであります。

限られた財源の中で、多様化し高度化する市民ニーズに対応するため、本市におけるデジタル・トランスフォーメーションを進め、デジタル化による行政サービスの質を向上させるとともに、「新たな日常」のもと、市民が市役所へ来庁せず各種申請ができる環境づくりに取り組んでまいります。

新年度は、統合型GISを導入し、市が利用する地図データを共通基盤に、都市計画図や道路、河川など様々な情報を集約し、横断的な活用をすることで、行政の効率化・高度化と市民サービスの向上を図ってまいります。

市役所1階の市民課、市民税課および資産税課において、キャッシュレス決済対応セミセルフレジを本年3月から導入し、各種証明書を発行する際の手数料の支払いをスムーズにすることで、滞在時間の短縮化を図るなど、市民の利便性向上に努めてまいります。

マイナンバーカードにつきましては、申請サポートの充実や交付体制の強化に取り組み、既に申請率は50パーセントを超えております。新年度も引き続き、こうしたきめ細かなサービスを行い、より申請しやすい環境を整え、交付率向上に努めてまいります。また、コンビニエンスストアにおける各種証明書の発行について、更なる利用促進に向け、積極的な周知・PRに努めてまいります。

本市の魅力発信事業につきましては、青梅市親善大使である篠原ともえさんがデザインした、市の公式キャラクターゆめうめちゃんのLINEスタンプ第1弾が大変好評だったことから、新年度、待望の第2弾を作製し、更なる魅力発信につなげてまいります。

 

次に、「安全で快適に暮らせるまち」について申し述べます。

昨年、日本全国では、福島県沖での地震や、静岡県、神奈川県を中心に降り続けた大雨など多数の災害に見舞われました。いつ発生するかわからない災害に対する備えを整えることが安全・安心な暮らしを守る上で必要不可欠なものと認識しております。

新年度は、「災害補償制度」を新設し、災害時の分散避難先として、自治会が自治会館などを安心して避難場所として開設できるように支援してまいります。

市民の安全・安心を守る要のひとつは地域の消防団であります。消防団については、長時間にわたる災害対応活動への出動報酬の額を引き上げるなど、処遇改善を図るとともに、そのあり方について検討してまいります。また、消防団の消防車両、10台を更新し、地域防災力の向上を図ってまいります。なお、この消防車両の更新については、モーターボート競走事業からの繰出金を活用してまいります。

移住・定住の促進についてであります。

多様化する社会情勢の中で定住人口の確保は重要課題のひとつであると認識しております。私が従前より申し上げている「あそぼうよ!青梅」、この言葉は青梅の魅力を伝える究極的な呼び込みの姿勢であります。この姿勢を内外へ発信し、魅力の輪を内から外へと大きく広げ、そして、外から内へと人を呼び込むため、本年度、「青梅市移住・定住促進プラン」を策定いたしました。このプランの中で、青梅を「みつける・おもいだす」、「きになる」、「おためしする」、「きめる」、「くらす」、そして移住を決めた定住者が青梅の魅力発信に加わる、この好循環を機能させる仕組みを構築することとしております。新年度は、このプランにもとづき、シティプロモーション等の魅力発信を中心に各施策を実施し、自然と共に暮らす魅力あるまちを目指してまいります。

公園整備等についてであります。

昨年、わかぐさ公園にて、青空の下、子育て世代との懇談会を開催いたしました。

その中で、わかぐさ公園は様々な世代の人が多く集まり、幼児が安全に過ごせるスペースがあれば更に魅力的になるとの御意見を頂戴いたしました。新年度は、わかぐさ公園の遊具の更新に合わせて、幼児の遊び場スペースを新たに整備し、こうした生の声に対して迅速に対応してまいります。また、本年度、新型コロナウイルスの影響により残念ながら実現に至らなかったわかぐさ公園での動物とのふれあいイベントについては、感染症対策を行った上で実施してまいります。

花木園につきましては、本年3月に新しい複合遊具が設置され、人気のローラーすべり台と合わせて子どもたちの楽しめるアトラクションが拡大します。引き続き、遊具更新や、花木の植栽などを実施し、市民の憩いの場としての整備を進めてまいります。

なお、公園遊具等の整備につきましても、モーターボート競走事業からの繰出金を活用してまいります。

「青梅の森」についてであります。

青梅の森を貴重な動植物が生息・生育できる良好な自然環境となる緑地として引き続き、保全を図ってまいります。また、隣接する風の子・太陽の子広場を青梅の森の玄関口として一体的に活用できるよう再整備を検討し、併せて、「青梅の森事業計画」の見直しを行ってまいります。

 

次に、「次代を担う子どもをみんなで育むまち」について申し述べます。

私は、これまで安心して子育てができるまち、子育て世代を中心とした若者に選ばれるまちとなるよう、子育て支援に重点的に取り組んでまいりました。

そうした結果、前回に引き続き、日経x womanと日本経済新聞社による「共働き子育てしやすい街ランキング2021」において、本市がワンランクアップの全国8位にランキングされました。

子育て支援の更なる充実を図るため、義務教育就学児の医療費負担について、外来通院1回200円の自己負担を、市独自の助成事業として令和4年10月から無料といたします。

更に、青梅ゆりかご保育園、青梅ゆりかご第二保育園の合併に伴う新園舎建設工事につきましては、令和5年4月の移転に向け、継続して取り組んでまいります。

また、初めて子育てするお母さんと赤ちゃんの講座に加え、第二子以降の講座「親子の絆づくりプログラム“きょうだいが生まれた!”」を新たに実施いたします。

こうした子育て事業を総合的に展開していき、“青梅で生み・育てたい”と思っていただける環境づくりを進めてまいります。

学校教育についてであります。

本年度は、GIGAスクール構想による児童生徒一人1台端末の導入1年目となりました。今、まさに教育環境は変革のときを迎え、デジタル化への転換を迫られているところであります。

激変する教育環境に対応するため、新年度は、小中学校主要科目の指導者用デジタル教科書の導入をはじめとして学習環境の整備を引き続き行ってまいります。ICTを活用した学習活動を一層充実させ、一人ひとりに合わせた個別最適化を図った授業を展開し、児童生徒の学ぶ意欲を伸ばしてまいります。

 

次に、「福祉が充実したまち」について申し述べます。

福祉ニーズは多様化・複雑化しており、その解決には、市だけでなく、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と社会が世代や分野を超えてつながることが重要となっています。高齢者、障害者、子どもなど全ての人が、誰もが支え合い、地域をともに創っていく地域共生社会の実現を目指してまいります。

高齢者福祉についてであります。

市制施行70周年を記念して、「青梅市高齢者憲章」を制定いたしました。青梅に暮らす市民が世代を超えて支え合い、いつまでも生きがいをもって暮らせるまちの実現に向け、この憲章を市内各地に掲げ、広く周知を図ってまいります。

敬老会については、新型コロナウイルスの影響により開催を見合わせておりましたが、安心して長寿のお祝いのひとときを過ごしていただけるよう、感染症対策を徹底した上で開催したいと考えております。

また、自治会館などに気軽に集まり、自由に過ごせる場である地域サロンを拡充し、高齢者の社会参加、交流、健康づくりや介護予防を促進してまいります。

介護保険サービスにおいては、介護や看護による訪問、通い、泊まりといった多様なサービスを提供する看護小規模多機能型サービスを新たに整備し、介護が必要になっても住み慣れた地域でいつまでも暮らしていける地域包括ケアシステムの構築を進めてまいります。

障害者福祉についてであります。

昨年4月に施行した、「障がいのある人も障がいのない人もその人らしく暮らせる共生のまち青梅市条例」にもとづき、障がいのある方への偏見や差別をなくし、全ての人が互いに、優しさと配慮をもって、安心して暮らせる青梅を目指してまいります。

また、「第5期青梅市障害者計画」、「第6期青梅市障害福祉計画」および「第2期青梅市障害児福祉計画」にもとづく重点施策の取組を着実に進めるとともに、次期「青梅市障害者計画」の策定に向け、基礎調査を実施してまいります。

ひとり親福祉についてであります。

一般社団法人日本シングルマザー支援協会と、ひとり親家庭の自立支援に関する連携協定を、昨年12月、都内自治体で初めて締結いたしました。本協定は、ひとり親家庭の自立支援に必要な情報提供や就労支援、相談やひとり親同士の交流機会の提供を目的としております。この連携の第一歩として、新年度は、ひとり親家庭に向けた講演会を開催し、支援の充実に努めてまいります。

生活困窮者のための自立支援についてであります。

新型コロナウイルスの影響により所得が大幅に減少した世帯に対し、市が相談窓口となり、国の臨時特別給付金の支給を引き続き実施してまいります。

また、直ちに就労が困難な方を対象に経済的自立に向けた就労支援の充実を図るため、生活困窮者自立支援法にもとづく「生活困窮者等就労準備支援事業」を新たに実施してまいります。

 

次に、「みんなが元気で健康なまち」について申し述べます。

予防・健康づくりについてであります。

地域医療体制の充実として、発熱外来に対応した休日夜間診療所を昨年7月にオープンいたしました。新型コロナウイルス感染症の感染拡大とともに需要は増え、重要な使命を果たしております。新年度は、休日歯科診療を歯科医院での輪番方式へ変更するなど、引き続き、青梅市医師会、青梅市歯科医師会および青梅市薬剤師会との連携を強化してまいります。

市民の健康の保持増進については、「第4次青梅市健康増進計画」および「第3次青梅市食育推進計画」にもとづき、各種検診等の受診機会の確保、市民への受診の呼びかけに加え、保健師や管理栄養士等の専門職による保健指導や栄養改善指導の充実に取り組み、食育および健康づくり活動を推進してまいります。また、各市民センターなどで健康づくりのための健康体操を実施し、更なる健康寿命の延伸を目指してまいります。

子宮頸がんワクチンの予防接種については、ここで、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ることが認められたことから、改めて、対象者への個別勧奨を進めてまいります。

総合病院についてであります。

西多摩医療圏の中核病院として役割を果たし、“いのちを守る最後の砦”として新型コロナウイルスをはじめとした、高度化・多様化する様々な医療ニーズにも的確に対応してまいります。

新病院建設については、本館新築工事に着手いたしました。これまでの新型コロナウイルスへの対応経験を活かし、救急外来における感染診療エリアの拡充や入院数に応じて区画を変更できる感染病棟の整備など、改めて設計を見直し、より感染症に強い病院として令和5年度の新病院本館オープンに向け、着実に取り組んでまいります。

 

次に、「みんなが参画し協働するまち」について申し述べます。

コロナ禍において、生活環境は一変し、外出抑制やイベントなどの中止・縮小により、社会的な“つながり”が希薄になっていることを感じ、人と人との“つながり”の重要性を改めて認識いたしました。

こうした中、自治会は、人と人とをつなげる地域コミュニティの中心となる組織であり、まちづくりの重要な担い手であることを強く実感いたしました。新年度は、地域コミュニティの活性化の一つとして、スマートフォンで閲覧可能なデジタル回覧板を導入し、情報伝達の高速化やデジタルを活用する幅広い世代の利便性を図ることで、自治会の魅力向上と加入促進につなげてまいります。引き続き、青梅市自治会連合会との連携基本協定のもと、一丸となって、希薄化する市民の“つながり”を取り戻すべく、活動を支援してまいります。


平和事業についてであります。

世界連邦運動協会青梅支部と協力し、今後も平和の尊さを学ぶ機会として、写真展や講演会等の平和事業を通じ、平和思想の普及・啓発に努めてまいります。また、羽村市と合同で、中学生を広島市へ派遣するピースメッセンジャー事業を継続し、平和の大切さを次世代へと継承してまいります。

女性活躍推進事業についてであります。

女性が輝く社会実現のため、新年度も女性の活躍推進にかかる講演会を実施するなど、働く女性の個性と能力が十分発揮できる社会を実現するための環境づくりに取り組んでまいります。また、これからの更なる女性活躍推進を踏まえ、「第七次青梅市男女平等推進計画」を策定してまいります。

厚生労働省の「自殺対策白書」の統計によると、近年、女性の自殺者数が増加しております。様々な悩みを抱えた女性が孤立しないよう、女性相談案内窓口を設置し、こうした女性に寄り添った、的確な対応をしてまいります。

 

最後に、「文化・交流活動がいきづくまち」について申し述べます。

本市は、他市にはない多数の文化財や伝統芸能を有しております。新年度は、今期NHK大河ドラマの「鎌倉殿の13人」にも登場する畠山重忠公が奉納した国宝、赤糸威鎧等の修理を行い、貴重な文化財を後世に伝えるため適切に保存してまいります。また、文化財を保存するだけではなく、活用し、誰もが文化財に触れることができる機会を創出することで、自ら暮らすまちの歴史や文化を理解し、郷土を愛する気持ちにつながるものと考えております。新年度は、本年度から取り組んでおります、旧吉野家住宅の屋根葺き替え工事を完了し、観光的な視点をもって活用していくよう検討してまいります。

吉川英治記念館につきましては、引き続き、人気ゲームとのタイアップ展示等により若年層の集客を図るとともに、三国志をテーマとした展示を新たに実施するなど、更なる魅力を発信することで、地域の活性化にも寄与できるよう取り組んでまいります。

生涯学習についてであります。

市民が生涯を通じて、主体的に学習機会を選択して学び、その成果を社会に生かすことは豊かな地域づくりを推進する上で重要なものと捉えております。生涯学習活動を発表する場の一つでもある釜の淵新緑祭は、令和2年度より2回の中止を余儀なくされておりましたが、新年度は、文化交流センターと釜の淵公園を会場とし、インターネットでのリモート配信と併用したハイブリット形式にて開催いたします。Withコロナ時代においても、こうした、開催方法を工夫し、「ともに学んで生きるまち」の実現に努めてまいります。

東京2020オリンピック・パラリンピックがもたらしたレガシーについてであります。

本市においては、ドイツ連邦共和国のホストタウンとして、姉妹都市であるボッパルト市との交流や数々のイベントを通じて気運醸成を図ってまいりました。こうした取組は、市民の皆様方の心にも強く印象付いていると思います。ボッパルト市に対しては、共に行ってきた取組への感謝の意を、私から直接お伝えし、今後もより友好な交流関係を築いてまいります。

また、この大会により高まったスポーツおよび文化に対する気運を、本市の特性を活かしたカヌーイベントや、文化キャラバン等を通じて、後世に残すレガシーとしてまいります。

以上、新年度の市政運営に当たり、主な施策について申し述べさせていただきました。

 


『失ったものを数えるな残されたものを最大限に活かせ』

62年前、1960年に、第1回目となるパラリンピックを開催した、“パラリンピックの父”と呼ばれる、イギリスのグットマン医師の言葉です。

世界的な新型コロナウイルスの猛威により、私達は、今まで、当たり前であった“日常”を失い、生活様式の大きな見直しを余儀なくされています。

しかしながら、こうした状況下だからこそ“発想の転換”や、“新たな発想”が生まれるものだと信じています。

『ピンチをチャンスに変える』

ウメ輪紋ウイルスに対する厳しい緊急防除の実施から、本市が、梅の里再生を果たすまで、私が一貫して述べてきた言葉です。

本市のシンボルであった多くの梅の木を失ってしまいましたが、『もう一度、日本一の梅の里へ』という多くの市民の熱意と、努力が最大限活かされ、ウメ輪紋ウイルスの被害を克服いたしました。

私自身、梅の公園を訪れた際に、このチャンスを活かし、これまで以上に、生まれ変わったその姿を見て、大変、誇らしく、また、喜ばしく思いました。

新型コロナウイルス変異株の発生・蔓延により、厳しい日々が続いておりますが、こうした経験を踏まえた本市は、必ずや近い将来、“夢と希望”に満ちた明るい未来を取り戻すことが出来るものと信じています。

そのためにも、私自身、“夢と希望”を持ち続け、『あそぼうよ!青梅』のスローガンのもと、改めて、多くの方々に「訪れたい・暮らしたい・住み続けたい」と思っていただけるまちづくりを市民と一丸となって、推進してまいります。

議員各位をはじめ、市民の皆様の御支援・御協力を心からお願い申し上げまして、私の施政方針を終わらせていただきます。長時間御静聴、誠にありがとうございました。

みなさんの声をお聞かせください

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