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記事ID:0074338 更新日:2024年2月20日更新 印刷画面表示 <外部リンク>

令和6年度施政方針演説

令和5年青梅市議会定例会令和6年2月定例議会が、令和6年2月20日から開かれました。この議会には、令和6年度の一般会計予算などの議案が上程されています。大勢待市長は、市議会の初日に令和6年度の施政方針を発表しましたので、ここに全文を掲載します。(本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。)


令和5年青梅市議会定例会 令和6年2月定例議会の開会に当たりまして、新年度の市政運営に対します施政方針を申し上げ、議員各位をはじめ、広く市民の皆様の御理解を賜りたいと存じます。

本年元日に発生しました能登半島地震で被災をされました方々に お見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方々の御冥福をお祈りし、御遺族の皆様に心よりお悔やみ申し上げます。

安否不明者の早期の発見と、被災地域の一日も早い復興を願っております。

さて、昨年を振り返りますと、世界的には、ロシアによるウクライナ侵攻が続き、また、イスラエルと イスラム原理主義勢力ハマスとの戦闘の激化など悲しい出来事が相次ぎました。この二つの大きな戦闘は、今もなお 続いており、こどもたちを含む一般市民の尊い命も 日々、犠牲となっています。

改めて、平和の大切さを強く願うとともに、全世界が再び平穏な日々を取り戻せるよう願っております。

一方、嬉しいニュースとして、スポーツ界では、3月に開催された、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)において、日本代表が強豪国を破り、3大会ぶり3度目の優勝を遂げ、悲願の世界一奪還を果たしました。

日本球界や、アメリカのメジャーリーグで活躍している、かつての野球少年達が、夢を追い求め、侍ジャパンとして、世界を舞台に総力戦で挑んだ1試合1試合に、日本中が歓喜の渦に包まれ、大きな感動を受けました。

この大会で、見事MVPに選ばれた大谷翔平選手からの寄贈によるグローブが、先月中旬、本市にも全小学校に3個ずつ届きました。大谷翔平選手から、グローブとともに添えられた手紙の一文に、

 

『このグローブが、私たちの次の世代に夢を与え、勇気づけるためのシンボルとなることを望んでいます。』

 

と、記されていました。
この手紙を読んで、私自身も、市政運営のリーダーとして、こどもや若者が将来に夢を持ち、年齢や性別、障がいの有無に関わらず、誰もが真に活躍することが出来るまちづくりを推進していくための決意を改めて強く感じたところであります。

私にとって、市長就任後、初めてとなる予算編成を行った新年度の一般会計当初予算につきましては、令和5年度と比較し、率で8.1パーセント、44億円の増、過去最大となる588億円を計上いたしました。

青梅の未来につながる一つひとつの施策に積極果敢にスピード感を持って取り組み、『住んでいて本当に良かった』と、市民の皆様に心から思っていただけるよう、一つひとつの施策を着実に推進してまいります。

それでは、新年度に取り組む主な施策について、「第7次青梅市総合長期計画」の各施策の分野に沿って申し述べます。

 

はじめに、「こども・若者・教育・子育て」について申し述べます。

国では、昨年12月に、「こども基本法」にもとづき、こども政策を総合的に推進するための基本的な方針等を定めた「こども大綱」が閣議決定されました。本市においても、この大綱にもとづき、本年度実施した保護者や中学生、高校生への調査結果を踏まえ、こどもや若者、子育て支援の取組みを第一としたこども計画を新たに策定し、こどもがまんなかのまちづくりを推進してまいります。

こどもたちが誰一人取り残されることなく、将来への希望を持って健やかに育っていく地域社会の実現に向け、市内小中学校の学校給食費の無償化に向けた財源をはじめ、将来を担うこどもたちの育成や更なる子育て支援に役立てていくための「青梅市こどもまんなか応援基金」を今議会に上程いたします。

妊娠期から子育て期まで、それぞれのライフステージに応じた切れ目のない支援をさらに強化するため、妊婦歯科健康診査については、集団健診としておりましたが、就業している方が多く、仕事の都合などにより受診できないという声をお聴きし、個別健診に変更することで、受診される方、御自身の予定や体調等に合わせ、受診しやすい環境を整えてまいります。

また、産前産後における、家事・育児の支援を希望する家庭に対し、一度の出産につき利用できる育児支援ヘルパーの派遣回数を現行の2回から最大12回まで拡充するとともに、3回目以降の費用負担を軽減してまいります。

安定的・持続的な乳幼児の保育環境を整備するため、保育園舎の改修や、市内4か所目となる 認定こども園の開設を支援してまいります。

また、市内の認可保育所において、災害などの発生時に備え、被害を最小限に抑えて必要な業務が継続できるよう、「業務継続計画(BCP)」策定の支援をしてまいります。

学校教育についてであります。

ICT教育の更なる充実を図るため、AI技術を活用したテストのデジタル採点ソフトを導入いたします。教職員の採点作業の効率化による負担軽減とテストデータを集計・分析することで、個々に寄り添った最適な学習指導を推進してまいります。

放課後の学習支援といたしましては、引き続きステップアップクラスやスタディ・アシスト事業を実施し、児童・生徒の習熟度に応じた、きめ細かな学習支援の充実に努め、一人ひとりの学力向上に、つなげてまいります。

さらに、一人ひとりが持つ個性や能力を最大限発揮できるよう、個別の教育的ニーズに応じた支援の充実を図るため、就学相談室の相談員を2人から3人体制に増員するとともに、各小中学校に配置している学校教育活動支援員の勤務時間を拡充し、特別支援教育・インクルーシブ教育を推進してまいります。

不登校児童・生徒の支援につきましては、スクールソーシャルワーカーによる登校支援を行うとともに、教育支援センターにおける ふれあい学級分室の充実や、校内別室 指導支援員の配置など、一人ひとりの状況に応じた支援の拡充を図ってまいります。

様々な要因により、不登校児童・生徒が増加傾向にある中、フリースクールを利用している児童・生徒もいることから、フリースクールに関する支援も新たに行ってまいります。

児童・生徒の快適な学習環境を整備するため、小中学校の照明LED化改修工事を令和6年度から8年度にかけて計画的に進めてまいります。

また、各小中学校に配備済みの固定型AEDに加え、新たに、ポータブル型AEDを東小・中学校を除く全小中学校に配備し、プール指導時や運動会等の行事などにおける、児童・生徒をはじめ、来校者を含めた安全対策を拡充してまいります。

新しい学校給食センターについては、新年度、根ヶ布調理場の解体工事を終え、新調理場の建設工事に着手いたします。こどもたちに安全・安心でおいしい給食の提供を目指すとともに、本市のゼロカーボンシティ宣言後、初のZEB認証施設として整備を進めてまいります。

 

次に、「健康・福祉・医療」ついて申し述べます。

新年度は、全ての人が住み慣れた地域で暮らし、生きがいを共に創り、高め合うことのできる「地域共生社会」を実現していくための、「青梅市地域福祉総合計画」がスタート、一年目の年となります。

令和3年度より取り組んでまいりました重層的支援体制整備事業が、いよいよ本格実施となります。
地域福祉コーディネーターの配置を充実させ、より身近な福祉相談を可能にするとともに、複雑化・複合化した相談にも包括的に対応してまいります。

介護・障がい・こども・生活困窮など属性を問わない包括的な相談支援を行うとともに、各相談機関と連携し、事業の中核を担う役割を図ってまいります。

高齢者福祉についてであります。

新年度は、第9期の「青梅市高齢者保健福祉計画」・「青梅市介護保険事業計画」の初年度であり、地域包括ケアシステムの更なる充実を図り、また、介護の仕事に関する普及啓発等、介護人財の確保に向けた取組みを行うなど、高齢者施策をより総合的に推進してまいります。

全ての地区の地域包括支援センターの土曜日開設を実施することに加え、圏域が広い地域包括支援センターにおいては、新たに支所を設置し、高齢者が身近な場所で相談できるよう、利便性の向上を図ってまいります。

障がい者福祉についてであります。

新たに、青梅市基幹相談支援センターを障がい者福祉課内に設置し、御本人や家族等に対して、総合的・専門的な相談支援を行うほか、既存の相談支援事業所や各関係機関との連携を、より密に行うことにより、相談支援体制の強化、地域移行・地域定着の促進、権利擁護・虐待の防止といった様々な課題の解消に向けて取り組んでまいります。

次に、健康・医療についてであります。

これまでの「健康増進計画」と「食育推進計画」を統合し、市民の総合的な健康づくりを着実に推進していくため、「青梅市健康づくり推進計画」を策定し、こどもからお年寄りまで、市民一人ひとりが自らの健康に関心を持ち、主体的に健康づくりに取り組むための施策を展開してまいります。

市の内部に、ワーキンググループ「生涯現役で過ごす”健康寿命日本一”のまちを目指すプロジェクト!」を設置し、部署の垣根を越えた、横断的な検討を進めてまいります。

国民健康保険については、これまでの「データヘルス計画」と「特定健康診査等実施計画」を統合し、被保険者の健康増進と医療費の適正化に向けた取組みを着実に推進してまいります。

また、75歳以上の後期高齢者を対象に、個々の特性を踏まえた効果的かつ効率的な保健事業と介護予防を組み合わせた「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施」に取り組んでまいります。

がん治療による外見の変化に起因する悩みを軽減することや、就労・就学などの社会生活との両立を図ることを目的に、闘病生活を送っている方々に対し、ウィッグ等の購入費用の一部を助成する事業を開始します。

昨年11月、市立青梅総合医療センターが新たな施設としてオープンいたしました。
西多摩地域で唯一の高度急性期医療を提供する病院として、その役割を確実に果たしていくため、今まで以上に質の高い医療体制を確保し、地域の民間病院・診療所と連携を図ってまいります。

安定した医療体制の確立に不可欠なのが、医療従事者の確保とその働き方改革の推進であります。全国的に医療従事者不足は深刻な問題となっており、安定した事業運営に向け、喫緊の課題となっています。こうした状況を踏まえ、引き続き、医療従事者の確保に向けた様々な対策を講じてまいります。

さらに、新病院建設事業を継続し、これからも多くの市民が安心して受診できる地域医療の充実を図ってまいります。

 

次に、「都市基盤・防災・安全」について申し述べます。

圏央道青梅インターチェンジ北側の物流拠点整備についてであります。

本事業につきましては、地権者組織が早期の組合設立および工事着手を目指し、鋭意、取り組んでいるところであります。引き続き、土地区画整理事業を、しっかりと支援し、新たな産業拠点の形成を図ってまいります。

青梅駅前地区市街地再開発事業につきましては、いよいよ年明けから建設工事が開始されました。青梅駅周辺の賑わいの創出を目指し、引き続き、再開発組合に対する協力・支援を着実に行ってまいります。

公園の整備についてであります。

青梅の森につきましては、豊かな自然環境の保全を図るとともに、玄関口でもある永山公園風の子・太陽の子広場において、管理棟の改修や体験小屋の新築を行い、周辺環境との一体的な有効活用を図ってまいります。

ウメ輪紋ウイルスからの再生・復興を成し遂げた梅の公園につきましては、多くの観梅客をお迎えするため、園路等の整備をはじめ、老朽化した遊具の更新等を行ってまいります。

公共交通についてであります。

「青梅市地域公共交通計画」にもとづき、既存の公共交通の維持、確保を基本に、グリーンスローモビリティをはじめとする新たな移動手段の導入や、相乗りデマンドタクシーのシステム構築など、地域の交通事業者と連携しながら、市民の移動手段確保に向けた取組みを着実に進めてまいります。

道路整備につきましては、計画的な保全・維持管理を図るとともに、東青梅地区、市域の南北を結ぶ青梅都市計画道路3・5・24号根ヶ布長淵線の道路拡幅や無電柱化事業を進め、歩行者等の安全性の向上や交通の円滑化を図ってまいります。

また、橋りょうの整備については、多摩川に架かる、梅郷・二俣尾地区を結ぶ好文橋の補修工事をはじめ、釜の淵公園内の鮎美橋の構造改修および塗替え工事に着手し、長寿命化を図ってまいります。

下水道事業についてであります。

衛生的かつ安全・安心な生活環境を保つため、「青梅市公共下水道ストックマネジメント計画」にもとづき、老朽化した管きょの改築、修繕およびポンプ場の施設改修、設備更新等を計画的に実施してまいります。また、御岳山事業区域の連絡管および集落地区などの整備事業を確実に進めてまいります。

防災・安全についてであります。

本市における防災・災害対策の根幹となる「青梅市地域防災計画」を見直すとともに、防災基本条例を新たに制定し、市民の生命と財産を守る基本的な方針を明確化し、危機管理体制の更なる強化を図ってまいります。

避難所機能の強化として、各市民センター体育館をはじめ、総合体育館等にWi-Fi環境を整備し、災害時の必要な情報伝達手段を確保してまいります。

また、防災行政無線の操作機器を更新し、防災情報など、必要な情報をより迅速に発信するための整備を行ってまいります。

消防体制の強化では、消防車両の更新を引き続き行うとともに、消防団の機能維持に向け、「新しい青梅市消防団のあり方に関する検討」の結果を踏まえ、団本部と協議を進めてまいります。

市域の大半が山間部である本市は、土砂災害等のリスクを有しております。そのため、市民の皆様へ日ごろからの備えとしてお配りしている、「青梅市民防災ハンドブック」を更新するとともに、最新の土砂災害警戒区域、浸水想定区域等を反映したハザードマップを作成し、全戸配布いたします。

犯罪被害への対策として、民間企業との協定にもとづき、防犯カメラ付きの「みまもり自動販売機」を本年3月以降に設置する等、引き続き犯罪被害から市民を守るための取組みを推進してまいります。

 

次に、「自然・環境・エネルギー」について申し述べます。

ゼロカーボンシティの実現についてであります。
国は、脱炭素投資への支援策などとあわせて成長に資するカーボンプライシング制度の導入について検討を進めるなど、2050年のカーボンニュートラルに向けて強い決意を示しております。

本市においても本年度、「青梅市地球温暖化対策実行計画 区域施策編」における、中期目標となる2030年度までの二酸化炭素排出量の削減目標を改定し、市民との共通目標をお示しいたしました。

新年度は、この目標を達成するための具体的な取組みや方向性を示す「青梅市環境基本計画」等を改定し、カーボンニュートラルの実現を目指してまいります。

本市における二酸化炭素排出量の部門別で最も大きな排出割合を占めるのは、家庭部門であります。家庭での更なる省エネ推進のため、本年度実施している高断熱窓への改修補助を継続するとともに、自ら電気を創る、創エネルギー施策として、太陽光発電設備および蓄電池の導入補助を行ってまいります。

さらに、循環型社会のライフスタイルが浸透していくよう、ごみ減量化に向けては、集団回収および再資源化の推進などに取り組んでまいります。

森林対策についてであります。

市域の6割を超える森林は、本市の自然のシンボルであると同時に、ゼロカーボンシティを実現する上での貴重な二酸化炭素の吸収源でもあります。しかし、現状では利用期を迎えた森林が増加しており、森林が持つ多面的機能を継続的に発揮させるためには「植える」「育てる」「収穫する」「使う」という施業の循環による森林の健全化が必要であります。この森林の健全化には、担い手の確保が喫緊の課題であると捉えております。

新年度は、森林環境譲与税を活用し、本市の特性に適した、新たな森林整備養成講座や森林環境教育指導者養成講座を通じて、担い手となる人財の育成に努めてまいります。

さらに、未来を担うこどもたちに森林の公益性への理解および森林に親しむ機会を創出するための森林教育を実施してまいります。

また、カーボンオフセットも視野に森林を持たない自治体との連携による森林整備等を行うため、市が保有する山林の境界確定を行い、今後の活用の基盤を整えてまいります。

近年、被害が拡大しているナラ枯れについては、危険木伐採に対する費用助成の制度を創設し、市民の安全対策を図ってまいります。

本年度、本市は環境に対するインパクトを最小限にして、アウトドアを楽しむための環境倫理プログラムを推奨されている、NPO法人リーブ・ノー・トレイス・ジャパンと連携協定を締結いたしました。この協定の締結の一つの契機は、市民の皆様を中心に釜の淵公園周辺で活動されているリバー・クリーン活動でありました。

こうした市民活動から始まった意識改革の輪をさらに広げ、本地域のみならず、来訪者の方々まで拡大し、循環型社会と持続可能な社会の構築に努めてまいります。

 

次に、「歴史・文化・生涯学習」について申し述べます。

本市には、先人たちから脈々と受け継がれてきた多くの文化財や伝統文化があります。これらは、貴重な財産であり、守り受け継ぎ、次世代へ、しっかりと継承していかなければなりません。

新年度は、都の指定有形文化財である旧吉野家住宅について、内装の修繕を行い、計画的な保全を図るとともに、周辺環境の整備と併せ、東部地域における周遊の拠点の一つとして、更なる活用を検討してまいります。

また、市の指定無形民俗文化財である上成木高水山獅子舞および友田御嶽神社獅子舞の衣装等の修繕費用を補助するなど、伝統芸能の継承活動に対する支援を行ってまいります。

吉川英治記念館においては、年4回の季節展示をはじめ、国の登録有形文化財に登録された旧吉川英治邸を活用したミニコンサートやライトアップイベントなど、周辺の文化施設や地元団体と連携した事業を展開し、更なる集客力の向上を図ってまいります。

さらに、本市の名誉市民である吉川英治氏の魅力を広く内外に伝え、文化芸術の振興と地域の活性化につなげてまいります。

新年度、開館50周年を迎える郷土博物館では、博物館活動のあゆみ等を展示で振り返るとともに、JR青梅線開通130周年に併せた特別展や関連講座を青梅線沿線自治体と連携して開催いたします。

市立美術館につきましては、令和9年度の再開館に向け、老朽化による設備改修工事を開始いたします。

生涯学習の推進については、新年度を初年度とする「第7次青梅市生涯学習推進計画」にもとづき、すべての市民が生涯を通じて、やりたいことにトコトン取り組み、また、様々な体験機会において、人とのつながりを大切にしながら、共に学んで生きるまちの実現に向け、生涯学習の更なる機会の充実を図ってまいります。

市民ホールの建設を含む文化複合施設整備事業につきましては、ワークショップの開催や関係団体へのヒアリング等、多くの方々から意見を伺いながら整備基本計画を策定し、新たな文化活動の創出の場となるよう取り組んでまいります。

青梅駅前再開発ビルの公益床を活用した新たな図書館については、より市民の意見を反映した基本設計となるよう、令和5年度に完了予定であった基本設計期間を令和6年度まで延長し、ワークショップやパブリックコメントを実施してまいります。

スポーツ振興についてであります。

東京2020オリンピックの正式種目としても注目され、一躍人気となった、スケートボードやBMXなどのエクストリームスポーツについては、旧長淵水泳場を活用し、令和2年度からの試験的な運用を行っております。

新年度は、今後の市民への一般開放に向け、スロープ状の設備の設置などの整備を進めてまいります。

また、本年度末に策定予定の「第2期青梅市スポーツ推進計画」にもとづき、「誰もがスポーツに親しみ、熱気のあるまち・おうめ」の実現に向け、スポーツ関係団体等とも連携し、伝統ある青梅マラソン大会や、以前から多くの市民に親しまれてきた野球やサッカーをはじめ、近年人気を博しているボッチャやリバースポーツなど、青梅らしい多様なスポーツの推進に取り組んでまいります。

 

次に、「コミュニティ・共創」について申し述べます。

本市では、これまで、それぞれの地域において、様々な世代や目的を持った人たちが繋がり、協力しながら主体的に活動し、多様なコミュニティが創り上げられてきました。

その地域コミュニティの拠点の一つである自治会館に対して、本年度、省エネルギー機器更新支援として、エアコン交換工事や照明器具LED化工事の補助を行っております。新年度も、自治会の負担軽減と更なる省エネルギー化推進の両面から、支援を行ってまいります。

さらに、木造建築に対する耐震診断・耐震改修の補助上限額を増額し、制度の拡充を図ってまいりましたが、建築から40年以上経過した建物が多く、改修に多くの費用が見込まれることから、自治会集会施設に対する耐震診断や耐震改修工事等にかかる費用補助の更なる拡充を図り、地域コミュニティの安全な環境づくりを支援してまいります。

また、昨今の電気料金等の高騰を受け、防犯カメラの維持管理に係る補助金限度額を拡充し、自治会や商店街の負担軽減にも努めてまいります。

市民センター等の施設整備についてであります。

本年度末、市民センターおよび附属体育館において照明器具LED化工事が完了いたします。今までよりも明るい、快適な環境で、それぞれの施設をご利用いただけるようになります。

また、令和6年12月より、施設予約システムを更新し、電子マネーやクレジットカードなどによるキャッシュレス決済が可能となります。

こうした様々な施設整備を推進し、これからも利用される方々の更なる利便性の向上に努めてまいります。

人権擁護の推進についてであります。

「多様性」を認め合う共生社会の実現において、人権擁護の推進は重要な要素の一つであります。人権に対する理解を深める機会を充実させ、誰もが活躍し、自分らしく生きていけるまちを目指して、人権擁護委員等の皆さんと連携し、人権教育やパネル展を通じた啓発、様々な人権問題に対する相談支援を行ってまいります。

さらに、市民安全課内にジェンダー平等担当主査を設置し、「青梅市ジェンダー平等推進計画」に掲げる、各種施策等を推進してまいります。

国際交流についてであります。

ボッパルト市との姉妹都市交流は、これまでに築かれてきた相互の信頼関係を、将来に向け継承していくことが重要であり、 青少年友好親善使節団などの派遣・受入を中心とした、交流活動を、途切れることなく続けてまいります。

新年度は、5月に青少年、秋には成人の友好親善使節団が本市にお出でいただく予定となっています。
市民同士の相互の交流は、これからも活発に続いていくものと考えております。このような取組みを通じて、交流の「絆」をより強固なものにし、恒久的な友好関係を築いてまいります。

 

次に、「行政経営・行政サービス」について申し述べます。

市役所は、地域の主要なサービス業の一つであるといった認識のもと、社会環境やニーズの変化に柔軟に対応し、市民一人ひとりに寄り添った行政サービスを提供していくことが重要であります。

その一つとして、DXの推進による業務改善・業務効率化を着実に進めており、こうした取組みをさらに推進し、行政サービスのより一層の向上に努めてまいります。

「書かない窓口」の一環として、「申請書自動作成システム」の導入も進めてまいります。このシステムは、これまで申請書に手書きをしていた氏名や住所などの情報を、専用機器にマイナンバーカードを置くだけで、ICチップから情報を読み取り、自動記載できる仕組みとなっており、混雑解消や待ち時間短縮といった「待たない窓口」の実現の一つとなります。

現在、市民からの問い合わせは、市税や国民健康保険税などの納税通知書をはじめとした送付物の発出時に集中し、平時の2倍程度まで増加しています。このような問い合わせは定型的な内容が大半であることから、AIによる自動応答ガイダンスを導入し、24時間いつでも、時間や場所を問わず、市民からの問い合わせに対応できる体制を構築してまいります。

市民の利便性を向上させるとともに、職員の電話対応にかかる時間の削減等に取り組み、「待たない窓口」、ひいては「行かない窓口」の実現を図ってまいります。

また、人事制度を工夫し、専門性を有した職員の育成を図ってまいります。

本市の財政運営に大きく貢献している、モーターボート競走事業についてであります。
新年度は、5月21日から26日の日程で「SGボートレースオールスター」の開催が決定しております。また、一般会計へ18億円、病院事業会計へ10億円の繰出しを予定しております。

私自ら積極的にトップセールスを行い、関係団体等の御理解・御協力をいただきながら、高グレード競走の誘致に努めるとともに、更なる収益の確保を目指してまいります。

 

次に、「地域経済」について申し述べます。

先の所信表明でも述べさせていただいたとおり、地域を発展させるためには、経済の好循環が必要不可欠であります。この好循環とは、企業が、地域外から所得を稼ぎ、それが市民に分配され、さらに、市民が市内で消費することであり、そのためには、商工業の振興が最も重要であります。

この、稼ぐチカラを高めるために、事業拡大を進める市内の企業や、市内に進出する市外の企業に対し、企業誘致条例を活用した、支援を行うとともに、「おうめ ひとづくり支援事業」において、新たに、「DX人材育成メニュー」を追加し、市内事業者の人財育成にチカラを入れ、地域のDXを促進してまいります。

また、商店街が設置した装飾灯の維持管理に係る補助金限度額を拡充し、電気代高騰対策として市内の商店街を支援してまいります。

本年度設立された、一般社団法人こーよ青梅が、従前、青梅駅前を中心に行っていたマルシェの事業を新たにわかぐさ公園で実施するなど、市内の魅力的な個店を広く周知する場を創出してまいりました。このような取組みを引き続き支援し、まちの賑わいを創出してまいります。

農業については、担い手の確保・育成を図るとともに、農地の集約化や担い手へのあっせんを進め、適切な農地利用を推進することが重要と考えております。

新年度は、この取組みを推進するため、地域ごとに将来における農業の在り方を協議する場を設け、その協議結果を踏まえて、目指すべき将来の農地利用の姿を明確化する「地域計画」の策定を進めてまいります。

さらに、農業従事者への支援として、農業経営力の強化および都市農業の活性化を図るため、認定農業者および認定新規就農者に対して、施設整備や機械導入における経費の一部を補助し、経営的な支援を行うとともに、新規就農者が農業経営を早期に安定化させるための各種支援を引き続き行ってまいります。

観光振興についてであります。

新型コロナウイルス感染症による影響など、観光産業を取り巻く環境は、この数年で劇的に変化しました。こうした状況を経て、現在はインバウンドのみに限らず、国内においても、観光やイベントを求める需要が高まっており、本年度末、本市における観光施策の方向性を示す、新たな観光戦略をお示しいたします。

新年度からは、この観光戦略を推進することで、事業者は、持続可能な観光を念頭に事業を展開し、観光客は青梅ならではの体験をし、さらに市民は地域の活性化を感じることができる「三方良し」のアプローチのもと、観光産業を通じた、地域の更なる活性化を図ってまいります。

移住・定住策につきましては、一昨年より取り組んでまいりました、「移住・定住促進プラン」が最終年度を迎えます。

これまで、本市の暮らしの魅力発信や移住者への支援等の様々な取組みを行ってまいりました。移住者が、自ら移住希望者の相談相手になるなど、移住・定住促進の担い手の輪が拡がりつつあります。

新年度は、さらにこの輪を大きく拡げ、ともに積極的なアピール等を実施してまいります。
青梅を愛する皆さまとともに、チカラを合わせて、移住・定住策をより一層推進するとともにこの取り組みを踏まえて次期プランの策定を行ってまいります。

 

以上、新年度の市政運営に当たり、主な施策について申し述べさせていただきました。

就任当初の所信表明でも申し述べましたとおり、本市には、恵まれた自然環境の中、生産性の高いものづくりや小売、飲食、サービス業、医療・福祉関連事業などがあり、そして、何より、約13万人の“人財”を有しております。

こうした様々な分野と、共に連携し、協力していくことで、新たなまちづくりの可能性や、希望、そして、それらを実現していくための道筋も見出すことが出来るものと信じています。

先月20日、JAXAの月面探査機「SLIM」が、日本初となる月への着陸を成功させました。

この「SLIM」に搭載された超小型の変形型月面ロボットは、JAXAとともに、国内のおもちゃメーカー、電子機器メーカー、大学の共同開発により、玩具開発にもとづいて培われてきた技術と様々な分野が連携し、相互に協力したことによって、超小型・超軽量、月面での球体からの変形走行を可能としました。

長年に渡って、こどもたちの夢の実現のために取り組まれてきた、おもちゃメーカーの製品をもとに、その更なる可能性を開花させ、飛躍し、正に多くの夢を実現させて、日本の宇宙開発への新たな一歩を踏み出す快挙を成し遂げました。

本市におきましても、こうした産・官・学の連携、さらに、貴重な財産、宝である“人財”と、共に連携・協力し、新たな魅力・価値を創造してまいります。

 

『憧れるのをやめましょう! 憧れてしまっては超えられない。』

 

昨年3月、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の決勝・アメリカ戦を前に、
大谷翔平選手がチームメートに語った言葉です。

私は、これから、市長として、本市の市政運営を担っていく上で、他の自治体に“憧れる”のではなく、この青梅市こそを、「誰もが憧れるまち」にしていきたいと強い決意を抱いております。

さらに、市民の皆様が、「青梅市に住んでいて 本当に良かった」と思えるようなまちづくりを推進していく所存であります。

議員各位をはじめ、市民の皆様の御支援・御協力を心からお願い申し上げ、私の施政方針演説を終わらせていただきます。

長時間の御静聴、誠にありがとうございました。

みなさんの声をお聞かせください

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