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記事ID:0000390 更新日:2019年10月28日更新 印刷画面表示 <外部リンク>

青梅市景観まちづくり基本方針・青梅市の美しい風景を育む条例(広報おうめ平成16年11月7日特集号) 2、3、4ページ

青梅市景観まちづくり基本方針・青梅市の美しい風景を育む条例
(広報おうめ平成16年11月7日特集号) 2、3、4ページ

景観まちづくりの目標

私たちは、身の回りの環境を単に絵画的な眺めとしてとらえるだけではなく、毎日の暮らしのなかで、全身で感じ取り、実感としてとらえています。景観まちづくりは、目に映る景観のあり方に光を当てながらも、五感を通してからだ全体でとらえられる環境の質を高め、暮らしを取り巻く身近な環境の総体としてのまちの風景を優れたものとして育んでいく営みです。

先人から受け継いだ自然の環境や生態系に配慮し、歴史や文化を伝える景観を活かし、美しく優れた景観を持つまちづくりを進めることにより、「暮らしの舞台」を快適で豊かにし、未来に引き継ぐ美しい風景都市・青梅をめざします。このように、青梅市の特徴ある自然、固有の歴史・文化や、身近な暮らしの舞台を活かしていく視点から、3つの「景観まちづくりの目標」を設定しました。

山並みと清流が織りなす自然環境を守り育むまち

美しい山なみと清流は、誇り・親しみのあるふるさとの原風景であるとともに、多様な生き物の生息環境を生み出しており、市民は、自然を愛し、生き物とふれあい、四季の変化を目や耳や肌などからだ全体で実感しながら、心豊かで健康な暮らしを望んできました。

この目標は、豊かな自然環境に包まれた暮らしを私たちがみんなで守り、青梅でしか感じられない素晴らしい自然への感動を未来に伝え育んでいくまちの姿を示しています。

山なみと清流が織りなす豊かな自然環境のなかで育まれてきたふるさとの原風景を大切にし、まちへの愛着を培うとともに、四季の表情豊かな自然に潤いや安らぎを感じられるまちをめざします。また、健全な自然環境を守り育て、その懐で共に生きていくまちをめざします。

固有の歴史・文化を受け継いでいくまち

市内には多くの文化財、寺社などの歴史的建築物や土木遺産が点在しているほか、古くから栄えた青梅宿や山あいの集落などの趣きあるたたずまい、各地でみられる石積みなどが、特徴ある景観をかたちづくってきました。また、祭りや市(いち)をはじめとする伝統的な行事などが、暮らしの晴れ舞台を彩ってきました。

この目標は、固有の歴史・文化に根ざした景観を、「先人たちの暮らしの知恵」と「風土に培われたまちと暮らしの姿・形」を示すものとして、みんなで大切にしていくまちの姿を示しています。

いまを生きる私たちも毎日の暮らしのなかで、身近に固有の歴史・文化にふれあえるよう、歴史・文化を活かしみんなで楽しむまち、先人たちが培ってきた歴史・文化をつぶさに学び、暮らしを彩る知恵と作法を、未来の青梅を担う子どもたちにもしっかりと受け継いでいくまちをめざします。

活き活きとした暮らしの舞台を整えていくまち

まちの急激な発展や情報・流通などの発達と生活圏・経済圏の拡大などにより、全国どこも代わり映えしない街なみが増えており、利便性や経済性のみを求め続ければ、今日まで残されてきた趣きのある街なみや味わい深い暮らしぶりが残るとは限りません。

この目標は、「自然環境と歴史・文化を満喫する暮らしぶり」にふさわしい「心豊かな暮らしの舞台」のあり方をみつめ直し、整えていくまちの姿を示しています。

みんなが自然環境と歴史・文化を満喫する暮らしぶりを再発見し、自覚を持って調和ある街なみづくりを進めていくまち、日常生活の場を自らの手で快適な暮らしの場として整えていくまち、誰もができることから取り組む活気あるまちをめざします。

構造別の景観形成方針

景観まちづくりは、地域独自の歴史や文化を踏まえ、身近な環境の総体としてのまちの風景を優れたものとして育み、快適な暮らしの基盤として活かそうとするものです。

市民の誰もが共有するさまざまな景観を豊かな暮らしの基盤として活かすための基本的な考え方を定めます。そのため、景観まちづくりの目標の実現に向けて、景観と暮らしの全体像を形づくっている7つの骨格的・構造的な要素を活かす観点から「構造別の景観形成方針」を設定しました。

山地や丘陵地の景観を大切にする

御岳山などの山地や市街地を囲む丘陵地は、景観と暮らしの環境の基調をなしています。まちを取り巻くこれらの山なみの美しい姿は、心の安らぎを感じさせ、樹林の自然とのふれあいは、健康な暮らしや四季の実感をもたらしてくれます。市民の多くが、このような山に抱かれたふるさとの情景に愛着や誇りを感じています。

自然はかけがえのない資源ですが、樹林は適切に手入れしなければ人を寄せ付けない所となってしまいます。

山や丘陵地の景観を大切にし、四季を彩る豊かな樹林の形成やレクリエーションの場としての適切な活用、眺望の確保を図ります。市民や市外の人々も含めて、樹林を育てる人の輪を広げていきます。

川の景観を主軸とする

多摩川は、崖線緑地の緑と一体となって水と緑の軸を成しています。また、霞川や成木川・黒沢川などの荒川支流の河川沿いに集落が形成されています。そのため、市民の多くが川の近くで育ち、暮らしており、水辺の眺めや川の音、川を渡る風、草の香りなどをからだ全体で感じ、散策や生き物とのふれあいを楽しんできました。

多摩川と荒川支流の河川を地域の景観・環境の主軸として、暮らしのなかでの川との関わり・川への関心を取り戻します。良好な水質や豊かな生態系に配慮し、美しい川の姿を守り、散策や川遊びの場として活かし、水辺から伝わるやすらぎや楽しみを満喫しながら、きれいな川と水を大切にする心を伝えていきます。

歴史や文化に根ざした景観を継承する

市内には、歴史的建築物や土木遺産が多数点在しており、青梅宿の街なみや路地空間、山あいの集落などにはかつての面影が残されています。また、市街地や集落の多くが川沿いの傾斜地に発達してきたことから、随所に石積みが残っています。これらは、先人たちの暮らしぶりや地形に応じたまちづくりの履歴を示すものです。

また、祭りや市(いち)などの伝統行事は、地域の歴史を伝える重要な景観資源であり、青梅マラソンなどは時代の新しい文化となっています。

点在する景観資源や風情ある街なみ、行事などを地域に根ざした固有の歴史・文化として大切に継承し、現代にふさわしい形でこれらを再生し、身近な街なみのなかで活かして、暮らしを豊かに彩ります。

暮らしの拠点に賑わいのある景観を演出する

鉄道駅前やバス停留所などの交通結節点や、公園、公共施設といったパブリックスペース(公共性の高い場)は、コミュニティのふれあいの場、来訪者と青梅のまちとの出会いの場として貴重な空間となります。

このような暮らしの拠点を大切にし、誰もが利用しやすい快適な空間づくりを進めるとともに、場所にふさわしい賑わいの演出を図ります。暮らしのなかで人と人、人とまちとの出会いを楽しみ、心の豊かさを感じられるふれあいの輪を広げていきます。こうしたパブリックスペースの快適な景観づくりを、市全体の景観づくりへの先導役としていきます。

住み続けたい街なみの景観を育てる

市街地では家の玄関の花や庭先の生け垣などが街なみに緑を添えています。一方、山あいの集落は樹林や農地の緑に包まれて、里山の懐かしさを感じさせてくれます。また、市内の随所には、それぞれの地域による特色ある石積みが見られ、落ち着いた雰囲気も感じられます。

これらの居住の場を、安心で活力ある暮らしのよりどころとして、いつまでも住み続けたいと思える、ゆとりある暮らしの舞台として、整えていきます。歩行者空間の確保や身近な公園の充実など、安心な生活の基盤を整えるとともに、住まいの緑化や地域の住民の協力による花壇づくりなどに取り組み、潤いを感じられる生活環境を育てていきます。

快適で潤いのある交通景観をつくる

青梅・吉野・小曾木・成木街道などの主要な道は、多摩川や黒沢川・成木川の川辺をたどるため、市の景観を特徴づける「山・谷・川」の地形構造を一望できる地域認識の場となっています。また、鉄道の車窓からも同様に、山と川からなる青梅の地形が眺められます。一方、平坦な扇状地上の市街地では、道路軸方向に眺められる山なみが方向感覚を与えてくれます。

このように、道路や鉄道の交通空間は、地域認識の場でもあり、沿道・沿線の景観とも一体的な交通空間の充実を図ります。まちへの愛着を培うとともに、来訪者にも地域の姿を印象的に伝える散歩道のネットワークを図り、楽しいまちをつくります。

豊かで活力ある産業景観を活かし、整える

里山に点在する水田・畑地や梅の樹園地などには、心安らぐ田園の眺めが広がっています。また、農地は、農産物の生産の場であることはもとより、環境保全や防災機能を担う身近な緑地空間として重要な役割を果たしています。

これからも、こうした農地の健全な環境と特徴ある景観を大切にし、恵み豊かな風土・環境への理解と実感を深めていきます。

また、かつては、木材や織物などの地場産業が風土に根ざした地域景観をつくり出してきましたが、現代の産業は風土との関連が薄れ、施設も大規模化してきたことなどにより、地域景観に大きな影響を与えています。

地域に活力を与える産業と地域環境とのより良い関係を築き、自然環境や街なみなどとの調和に配慮します。

地域別の景観形成方針

市民の日常生活圏や地域コミュニティのまとまりに注目して、西部地域、東部地域、北部地域の3つの地域区分を設定します。各地域には、それぞれ固有の地域景観が生まれています。また、各地域の持っている役割も異なっています。これらを踏まえて「地域別の景観形成方針」を設定しました。

東部地域

山なみに抱かれたまちへの愛着を育む

まちなかから山なみ、丘陵地からまちを望む眺望景観を大切にし、地域への理解と愛着を深めます。そのため、高層化・大規模化が進む建築物や構造物が、周囲の山なみへの眺めを阻害しないよう配慮します。丘陵地などでの開発行為に対しては、地形や自然、眺望などに配慮して、周辺地域と一体となった良好な景観を形成するよう指導します。

大岳山は、特徴ある姿がまちなかから印象的に眺められ、親しまれています。こうした山への遠景の保全を進めます。また、市街地において、街路樹・公園・生産緑地や屋敷林などによる緑豊かな街なみの形成や、霞川などのまちなかの川を活かした水に親しむ場づくりなどにより、潤いの感じられる地域づくりをめざします。

人が主役の交流・賑わいの場をつくる

青梅・東青梅・河辺駅周辺の中心市街地において、商業・業務・文化・サービスなどの中心拠点として、人が集まる場にふさわしい賑わいを生み出すとともに、人にやさしい都市空間づくりをめざします。そのため、商業の活性化や適切な土地利用の誘導、そのまちらしい歴史・文化の再生、青梅マラソンなど新しい時代の文化の振興とその舞台づくりなどを促しながら、沿道とも一体となった安心な歩行者空間の充実や連続性の感じられる街なみづくりなど、総合的な取り組みを促します。

新しい住まい方のルールに基づくまちづくり

新たな居住者や事業者も多いこの地域では、新しい住まい方やまちづくりのあり方をみんなで構築していくことが必要です。

生け垣づくりや玄関先の緑・花の植栽など、身近なところでできることから、一人ひとりが取り組みを始め、その取り組みの輪を広げていきます。

また、それぞれの場所の大切な景観は何か、それらを守り育て新たな魅力を生み出していくため重要な事柄は何かを見極めることや、そのためのルールづくりなどについて話し合い、主体的に取り組む体制や仕組みづくりをめざします。

西部地域

山と渓流が織りなす自然景勝地を誇りとして活かす

御岳山や多摩川の渓流の豊かな自然環境を保全するとともに、渓谷美を楽しむ水辺空間と、明るい樹林を通り抜ける山間の散策空間を整えます。また、武蔵御嶽神社や美術館・記念館などの点在する施設などを、山や渓谷の自然探索のなかで歴史・文化にふれる拠点として活かします。これを通して、市民も観光客もともに美しい自然を満喫するとともに、観光振興を通して交流が生まれ、市民が誇れる魅力ある地域づくりをめざします。

また、観光の玄関口となる駅周辺や鉄道から眺められる場所において、豊かな自然の魅力を感じられる景観づくりを進めます。

伸びやかな眺望と花の彩りを楽しむ

美しい石積みや生け垣、歴史的な風情を感じさせる建物などを守るとともに、山の辺の坂道から里を見渡す眺望景観を大切にします。

多摩川に架かる橋に向かう道は下り坂になっているため、橋を見下ろしながら対岸の丘陵地を正面に望む印象的な眺めが得られます。こうした坂の眺めや多摩川を渡る橋からの眺めを大切にします。

また、美しく伸びやかな地域景観をつくり出している梅やユズなどの樹園地の保全や活用を図ります。

地域を愛する心でつくる景観まちづくり

観光地として多くの人を迎えるこの地域では、地域を愛する心に支えられたまちづくりを伝えていきます。

地域を愛し自然を大切にする人々の暮らしぶりが、住み良く美しいまちの姿をつくり出し、美しいまちの姿が来訪者の心を和ませてくれる地域をめざします。

車窓から眺められる場所も来訪者を迎える場として景観に配慮するなど、地域が一体となった取り組みを図ります。また、来訪者のごみの持ち帰りなど、観光地を美しく保つモラルの向上を進めます。あわせて、四季折々の風景めぐりや梅まつりなどでの交流を通して新たな活力や文化を生み出していく場や仕組みを整えます。

北部地域

里山風景を再生し活かす

里山の林産資源の活用や里山を守る人の輪づくりなどにより、里山の維持管理を促し、森林の再生を図るとともに、里山空間を散策や環境教育などの場として活かします。

また、美しい石積みや歴史的な風情を感じさせる建物などが点在する落ち着きのある里山風景を守るとともに、星空やホタルなどの自然の景観資源、石灰の窯跡や隧道(トンネル)などの歴史的な景観資源を大切にします。

これらを通して、美しい里山のなかで散策などを楽しめる憩い・癒しの里としての地域づくりをめざします。

せせらぎの水辺を楽しむ

成木川、北小曾木川、黒沢川、直竹川などの荒川支流の河川において、生態に配慮した水辺に近づきやすい空間の整備を促し、美しい自然のなかでせせらぎの水辺を楽しむ地域づくり、ホタルが舞う水辺を活かした地域づくりをめざします。

このような地域ならではの環境を活かし、市民の新たな憩い・癒しの場としての魅力を高めます。

また、高水山や成木川源流の升ヶ滝、水辺の生き物などの自然の景観資源を大切にします。

新たな価値を生み出していくまちづくり

これまで山、川、家の調和によって保たれてきた静かな農山村集落の環境を、これからの時代にふさわしい良好な地域環境としてとらえ直し、その新たな価値観のもとで活かしていくことが重要です。

地域のコミュニティによって築かれてきた地域環境の価値を積極的に意味づけ、その活用を図ることを通して価値を高めていくという良い循環を導くよう、地域が一体となった取り組みをめざします。

景観形成重点検討地区

景観まちづくり基本方針の実現に向けて、景観形成の要所となる地区を対象として、積極的な景観整備・修景を進めます。良好な景観形成に重点的・優先的に取り組み、目に見える取り組みを率先して示すことを通して、市民の景観に対する意識を高めます。

このような景観形成の要所として、市域を東西に貫く水と緑のシンボル軸となっている「多摩川沿い地区」、市のひとつの玄関口となる「青梅駅周辺地区」の2地区を景観形成重点検討地区に位置づけました。

多摩川沿い地区

水と緑の多摩川シンボル軸づくり

豊かな水と緑を有する多摩川は、まちの良好な環境を象徴するにふさわしい存在です。

多摩川と崖線緑地の緑とを一体とし、これらを「自然豊かなまちを代表する景観」として大切に守り育て、暮らしのなかで身近に親しみ愛着を感じられるふるさとの川、市民共有の資産として活かしていきます。

表情豊かに水をたたえ、深い緑に縁取られた多摩川を活かして、市域を貫く水と緑のシンボル軸を形成します。

青梅駅周辺地区

まちと自然の魅力を満喫できる回遊性の高いまちづくり

青梅駅と駅前においては、丘陵の緑を背景に、もてなしと風格の感じられる「まちの顔」づくりをめざします。
青梅宿を含む中心市街地においては、歴史や文化が感じられる街なみ形成、商業と地域の活性化、多くの人が出会う賑わいの場の演出などを総合的に進めることにより、市民が誇りを感じられ、観光客をもひきつけるまちづくりを進めます。また、魅力ある街なみを整え、フィルム・ロケーションの場づくり(映像の舞台の再生)をめざします。

さらに、まちなかと青梅丘陵や多摩川を一体として、活気がある街なみ散策と安らぎの感じられる自然とのふれあいとをともに楽しめるよう、回遊性の高いまちづくりを進めます。

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