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歯っ!とする話 〜糖尿病と歯周病の深い関係〜
糖尿病と歯周病の関係
糖尿病に関する最新のデータ(厚生労働省の国民健康・栄養調査2024年発表)によると、糖尿病が強く疑われる人と糖尿病の可能性が否定できない人(予備軍)の合計が約2000万人に達しています。これは国民の約6人に1人に当たる数字で、国民病とも言える状態になっています。その糖尿病と歯周病には深い関係があることをご存知ですか?
それぞれ異なる病気と思われがちですが、実はお互いに影響を与え合っています。

歯周病があると、糖尿病が悪化しやすい
歯周病菌や炎症物質が血液を通じて全身に広がることで、血糖値を下げる働き(インスリンの作用)を邪魔し、糖尿病のコントロールを難しくします。
糖尿病があると、歯周病が悪化しやすい
糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、体の抵抗力が下がり、細菌に感染しやすくなります。そのため、歯肉の炎症が治りにくく、歯周病が重症化しやすくなります。
【症状の例】
- 歯肉の腫れや出血
- 歯がぐらぐらする
- 口臭が強くなる
歯周病を治療することで、血糖値が改善することも
歯周病の治療や適切な口腔ケアを行うことで、血糖値(HbA1c)が改善することがわかっています。つまり、「歯肉を健康に保つこと」が糖尿病治療の一助になるのです。
今日からできる予防と対策
1. 毎日のセルフケア
- 歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスを使う。
- 歯肉からの出血を放置しない。
2. 定期的な歯科受診
- 痛みがなくても定期健診を受ける。
- 糖尿病がある方は、歯科でそのことを伝える。
3. 医科と歯科の連携
- 内科で糖尿病治療を受けている方は、歯科受診も習慣にする。
(お口と体、両方を一緒に管理することが大切です)
健康な歯肉で全身の健康を守りましょう
糖尿病と歯周病は相互に影響し合うため、一方の病気のケアがもう一方の病気の改善にもつながります。糖尿病の方も、糖尿病予備軍の方も、そうでない方も、歯周病は放置すると全身の健康にも悪影響を及ぼすため、早めの対策が大切です。
毎日のケアを習慣化して健康を守りましょう!
気になる症状があれば、早めに歯科医師、歯科衛生士に相談しましょう。

