本文
青梅市成木地区で開催された「ゆめおどる夏のフェスティバル成木地区大盆踊り2019」が「笑顔あふれる地域のイベントアワード」最優秀賞を受賞しました!
このイベントは、「青梅市成木地区に関わるすべての人が楽しめる盆踊り」として成木地区に関わる方々がつくりあげています。
全国の笑顔あふれる地域イベントを表彰することで、「人と人」、「人と地域」のつながりを広げ、地域コミュニティの活性化を目指しています。NPO法人子ども文化地域コーディネーター協会が主催し、惹きつける魅力やアイディアの斬新さ、世代の多様性、地域のつながりや広がりに貢献できているかなどが審査され、最優秀賞については、一般投票の結果も審査に反映されます。
もともと青梅市成木のそれぞれの地区で開催されていた盆踊りですが、担い手の不足や費用負担の増加などの理由から継続が困難となり、徐々に開催が見送られる地区も出てきました。そんな状況から地域に関わる人々の想いで見事に復活した成木地区の盆踊りが「ゆめおどる夏のフェスティバル成木地区大盆踊り」です。今回はゆめなりき盆踊り実行委員会の方に伺ったお話を紹介します。
青梅市成木地区は、青梅市の北側に位置し、埼玉県飯能市と面しています。豊富な自然が残り、青梅市内でも特におだやかな時間が流れる地域です。成木地区でも各自治会ごとに行われてきた地域の盆踊りは、少子高齢化に伴う担い手の減少や費用の負担増などの理由から継続が難しくなりました。
2015年の春、生まれ育った成木という場所を多くの人に知ってもらいたい、将来もずっと続いていってほしいという願い(夢)から、成木出身の若者を中心とした任意団体「ゆめなりき」が結成されました。かつて一緒に遊んでいた幼なじみが集まり、成木地区の内外の方を招いて様々なイベントを開催することで、だんだんと「ゆめなりき」が地元住民に認識されるようになってきた矢先に、盆踊り消滅の話が飛び込んできました。
一旦は打ち切りとなった地域の伝統行事「盆踊り」を、若者が割って入り、復活、継続させるということは、簡単なことではないと多くの方が感じるかと思います。ゆめなりきのメンバーは、まずは各地域の自治会長に会って直接、盆踊り復活に向けた企画案を話してみることにしました。すると「若者からの提案を、自治会としてもサポートしていきたい」という良い意味で意外な返事が返ってきました。
「今まで、”次世代へ地域の伝統を引き継いでいきたい世代”と”自分たちが主体となって地域を盛り上げていきたい世代”がうまく交わる場がなかっただけではないか。」
お話を聞かせてくれたゆめなりきのメンバーはそのように感じたそうです。こうして、自治会の協力も得られ、若者が主体となり、地域住民が一体となった盆踊りの復活へと動き始めました。
地域全体の盆踊りを実施するにあたり、せっかく復活させた盆踊りが再び消滅しないようにどうにか工夫しようと夜遅くまで打ち合わせを重ねたそうです。子どものころに感じていた「盆踊りって楽しい!」という気持ちを大切にし、まずは楽しさを感じてもらい、ゆくゆくは運営側に回ってもらえるような持続性を持たせるため、子どもたちが盆踊りに参加しやすい企画を考えました。盆踊りの冒頭に地域の保育園児が参加する踊りタイムを設け、小さな子どもが主役になる時間を組み込むことで、家族連れが多く訪れ、盛大な盆踊りのスタートを切ることができました。
また、地元の中学校を通じて、中学生のボランティアを募るなど、未来の成木地区を担う子どもたちに運営側の楽しみを知ってもらうように取り組みました。
様々な課題や反省点はありましたが、このようにして高齢者や若者、子どもが集まれる貴重な場として盆踊りは無事に復活させることができました。2019年には、「笑顔あふれる地域のイベントアワード」最優秀賞を受賞し、地域の活動として外からも広く認められるようになりました。
はゆめなりき盆踊り実行委員会では、これに満足することなく、これからも新しい地域の輪が広がるように、地域の住民全員が楽しめるような盆踊りを開催していきたいと次回に向けた準備を進めています。