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イタリアのオーメ市は、イタリアの北部のロンバルディア州ブレシア県に属する基礎自治体のひとつです。
大都市ミラノから、およそ東の方向に車で1時間30分くらいのところに位置しています。
この、青梅市と同じスペルと読み方であるイタリアのオーメ市(Ome)から、友好都市提携の申し出をお受けし、これまで都市間交流について検討をしてきました。令和6年度にはイタリア・オーメ市の調査を行いオーメ市の概要について把握しています。
イタリア・オーメ市とのこれまでについては、こちらのページをご覧ください。
イタリア・オーメ市の位置<外部リンク>
令和7(2025)年度には、更に今後の交流に向けた検討に活かすために、現地を訪問し、市長同士での意見交換や、報告書に記載のあった施設等を訪問しました。
オーメ市滞在中は、青梅市大勢待利明市長とオーメ市アルベルト・ヴァノーリオ市長は、豊かな歴史と伝統がある街の視察をする中で、両市の共通点と相違点を見出しながら、今後の両市の交流について対話をしました。
また、市内外の様々な施設等の案内を受けたほか、市民との対話を通じて、オーメ市民の考え方やオーメ市の日常生活の一端を感じることができました。
令和7(2025)年10月7日〜10月13日(現地の滞在は10月8日から11日で、他の日は移動に要した日です)
視察者:大勢待利明青梅市長、秘書広報課長および同課都市交流係長
オーメ市アルベルト・ヴァノーリオ市長をはじめ、オーメ市ビアンカ・マイオリー二副市長、在ミラノ日本国総領事館小林利明領事、周辺自治体の市長、オーメ市議会・ふじ日伊文化協会・地域の警察官・オーメ市民の皆様が出迎えてくださいました。
アルベルト・ヴァノーリオ市長から、「私達は、壁ではなく、橋を築きたいのです。友好関係を育み、お互いの持つ特徴を際立たせる協力関係を築きあげることを望みます。一見、距離は離れているように見えても、お互いの文化が出会っていくことは、豊かさのしるしであると確信しています。(挨拶文一部抜粋)」と歓迎の言葉がありました。
歓迎式会場には、市役所の中庭で行われ、式典に参加された市民の皆さんに青梅市を紹介できるよう、青梅市観光ガイドが展示されていました。

指定された地域内でブドウを手摘みで収穫し、独自の製造規定で造られたワインのみ、「フランチャコルタ」と称することができます。オーメ市には、フランチャコルタを醸造を販売をしているワイナリーがあります。
フランチャコルタのワイナリー「アル・ローコル」では、醸造者からワイン醸造についての説明を受けました。手間と時間がかかる大変な工程であっても、フランチャコルタと称する美味しいワインを造るために必要で、フランチャコルタを守るために情熱と熱意を持って全員でワイン造りをしているという話を聞きました。
レストランとホテルを併設しており、日中は大型観光バスでツアー客が多く訪れていました。
市内にはハイキングコース、サイクリングコースが整備されていました。アル・ローコル製造所から博物館・美術館までと美術館から博物園まで、ハイキングコースなどを徒歩で移動しました。



教会の歴史や役割、時には託児所にもなることなどの話を伺いました。それぞれの団体が、教会の周辺の草刈りや環境保護を地域の伝統と歴史、大切な場所を守るために活動されていることを知ることができました。

アルピー二グループの皆さんから食事会に招かれ、令和6年度の報告書にも記載のある伝統料理の「串焼き」や「ポレンタ」などを振る舞ってくださいました。多くのお話をした中で、アルピーニグループのことや盛んなスポーツのことなどを伺うことができました。会の最後には、アカペラで仲間の歌を歌っていただくなど、特別な体験をすることができました。
アルピーニグループ:イタリア北部の山岳部隊として各所に構成され、メンバー同士だけでなく家族も含めて固く結束がされており、またグループ同士の交流も行われているとのことでした。
串焼き:豚、鶏、うさぎ、鳥など様々な肉を串にさし、回転式オーブンで時間をかけて料理します。
ポレンタ:とうもろこしの粉で作られる料理。ゴルゴンゾーラチーズやポルチーニ茸ソースなどを絡めて食べます。

地域の保育園を訪問しました。100名を超える子ども達が通園しており、年齢別のクラスになっていると説明を受けました。全員が一緒に使用できる園庭に加え、各クラス別の園庭(小さい園庭)もあるとのことでした。
子ども達が歌で歓迎してくれました。そしてイタリアオーメ市のキャラクター「オメット」のぬりえをプレゼントしてくれました。子ども達には、青梅市公式キャラクターゆめうめちゃんのシールと、けん玉をプレンゼントしました。

1945年、長崎で被爆しながらも奇跡的に生き残った一本の柿の木を母木として、その苗木がオーメ市でも2012年4月20日に植樹されました。ヨーロッパ柿の木プロジェクト協会では、その柿の木プロジェクトの活動の尊さ、被爆しながらも生き残った木の奇跡を伝達しながら、平和と命の大切さを学び続けているとの話を伺いました。
ヨーロッパ柿の木プロジェクト協会の皆さんは、日本人の植物学者の先生に教えてもらいながら、大切に木を育てているとのことでした。

オーメ市役所近くに本社がある、研磨ディスク等の製造業者であるモーレマブ社を訪問し、工場を見学しました。世界に複数の支社を持ち、多くの国へ製造品を販売している会社がオーメ市にあることを知りました。

プロバーディオ・ディゼーオ市にある、聖ペトロ修道院を訪問しました。プロバーディオ・ディゼーオ市の市長が、私達を迎えてくださいました。修道院は、当時のままの鐘が残る非常に貴重な修道院であることを、地域のボランティアガイド2名から説明を受けました。
景勝地であるイゼオ湖を見学しました。湖は透明度が高く、釣りを楽しむ方を見かけました。湖畔は美しく整備され、ロケーションが良く、オープンテラスのお店や洋品店など多くの商業施設が立ち並んでいました。イゼオ湖でもイゼオ市の市長が出迎えてくださいました。

オーメ市から車で1時間程のところにあり、ロンバルディア州ブレシア県の県都である大都市、ブレシア市を見学しました。ローマ時代の建築物が多く残る地で、私達が訪問した際も多くの観光客がまちを訪れていました。
オーメ市出身の方が働いているということで、閉館中の劇場「テアトルグランデ」を見学させていただくことができました。装飾の美しさと観客が特別で満足する時間を過ごすため空間を演出できるよう、工夫を凝らして建てられていました。
ロッジア広場にあるロッジア宮殿は市庁舎として使用されており、ブレシア前市長の案内で庁舎内を見学することができました。議場や建てられた当時のままの屋根裏の構造見学まで、詳細な説明を受けながら見学することができました。まちを歩いていると、オーメ市長やブレシア前市長のご友人と多く会いました。知り合いに出会う度に、立ち止まり、挨拶をする様子は非常に好感を持ちました。私達にも全員が笑顔で声をかけてくださり、イタリアの方々のコミュニケーションを体感することができました。
カフェに立ち寄ると、クラシックカーのイベントがブレシアの町であることを知りました。青梅市でも、「青梅宿アートフェスティバル」というイベントで多くのクラシックカーが市内を走ることがあると伝え、互いの共通点の一つを見出すことができました。


オーメ市在住の芸術家ジュゼッペ・ベルゴーミ氏のご自宅を訪問し、ご本人とそのご家族にお会いをすることができました。ベルゴミ氏の作品は、報告書にも記載のあった通り、名古屋水族館正面にブロンズ像の代表作が展示されています。作品の制作行程など貴重なお話を聞くことができました。

図書館では、おはなし会が開催されていました。ギター弾きがかりで、体を少し動かす歌を歌う時間がありました。
青梅市のポスターを図書館に掲示してもらうことになりました。ポスターのQRコードを読むことで、日本の青梅市の情報を取得できることを喜んでくれました。

オーメ市植物園協会が管理し、環境整備をしている植物園を訪問しました。世界各国の松など、世界的にも希少な木も生息していると話がありました。気温、湿度、雨量などが異なる地域の植物を植樹し、根付かせるのは難しいことですが、分からないことがあれば教えてもらいながら工夫して木を育てていると話がありました。
見たことがない木を見つける度に案内板を翻訳して確認しました。ただ育てるだけでなく、学べる場所になっていることに驚きました。

「マイオリーニ」は、オーメ市内にあるフランチャコルタを製造する、もうひとつのワイナリーです。敷地内や建物内には、あらゆるところにアート作品が展示されており、美術館のようなワイナリーに驚きました。醸造所や貯蔵庫の見学後に、私達のために特別にプロのミュージシャンによる演奏を用意していただきました。
食事、音楽、芸術がとても大切であると、オーメ市滞在中に何度も聞きましたが、この空間にはその全てが詰まっていました。
10月8日から11日までの4日間、オーメ市での滞在中、ほぼ全行程に同行してくださった、オーメ市のアルベルト市長およびビアンカ副市長に感謝を気持ちをお伝えしました。
式典では、オーメ市へ視察のために訪問したことを記録する証書に両市長が署名をしました。
そして、互いの再会を誓い、視察を終了しました。

10月8日から11日までの4日間、オーメ市での滞在中、ほぼ全行程に同行してくださった、オーメ市のアルベルト市長及びビアンカ副市長のおかげで、様々な施設を見学し、多くの方に出会うことができました。現地で出会ったオーメ市民の皆さんの印象は、明るく、優しく、住民同士が仲が良く、とても友好的でした。「日本のオーメから来た」と伝えると、みなさん驚きとともに、喜んで受け入れてくださいました。オーメ市全体は地域住民や団体によりきちんと管理されており、いたずら書きをされていることもなく、汚く感じたり、危険を感じる場所はありませんでした。
各施設では、丁寧に説明を受けることができ、会話をしながら見学することで多くのことを知ることができました。その中で、青梅市とオーメ市との共通点を見出したり、違う点を発見ができました。短期間ではありましたが、これほどまでにオーメ市を知るに至ったのは、旅行とは異なる、交流関係ならではの経験ができたためだと思っております。
施設を見学に訪れただけでなく、多くの人に出会い、お話することができたことで、この視察が大変有意義なものになりました。
今後は、イタリア・オーメ市との交流に関する協定締結に向けて、具体的な検討を進めていきます。
・令和5(2023)年2月にオーメ市長から友好都市提携を希望されていることなどを記した書簡が青梅市に届きました。
他に、「ふじ日伊文化協会」などの団体から、友好都市提携を推奨する旨の書簡も合わせて届きました。
・令和5(2023)年5月には、「ふじ日伊文化協会」のロサリオ・マニセラ会長が青梅市役所を訪れました。マニセラ会長からはオーメ市が友好都市提携を希望するに至った経緯をお伺いしたほか、青梅市とオーメ市との友好都市提携について要望をお受けしました。
・令和5(2023)年11月にオーメ市のアルベルト・ヴァノリオ市長一行が日本旅行の中で青梅市に立ち寄られました。
・令和6(2024)年には、オーメ市のことを更に知るために、「ふじ日伊文化協会」を通じて、オーメ市の地理や生活習慣、産業などに関する調査を行いました。
調査報告書のイタリア語版、日本語翻訳版および日本語翻訳の概要版は本ページからご覧になれます。
・令和7(2025)年10月に、大勢待市長がオーメ市を視察に訪れ、アルベルト・ヴァノリオ市長と直接対話をしました。
イタリア・オーメ市とのこれまでについての詳細は、こちらのページをご覧ください。
イタリア・オーメ市の位置<外部リンク>
イタリア語版イタリア・オーメ市調査報告書(原本) [PDFファイル/6.44MB]
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