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市は、昭和40(1965)年9月24日にドイツ連邦共和国・ボッパルト市と姉妹都市提携の調印をいたしました。
60年にわたる両市の交流の歴史を振り返りますと、中心的な交流事業である青少年友好親善使節団の相互派遣をはじめ、様々な交流を続けてきました。
こうした交流の中で、姉妹都市提携から14年を経た昭和54(1979)年に、両市の交流を更に「地に根付かせたい」という思いのもとに、両市を象徴する樹木を互いに贈りあうことが実現しました。
青梅市からは梅の苗木を贈り、ボッパルト市からは、ワインの名産地でもあることから、ワイン用のぶどうの木である「リースリング」の苗木が贈られました。
友好の証として寄贈された「ぶどうの苗木」は、市内の農業従事者の御尽力により育成・管理され、その後時を経て、収穫できた実から、山梨県にある醸造所の協力を得て、ワインの試作品が醸造されました。
昭和58(1983)年4月には、「障がい」のある方たちに農作業を通じて、社会進出への意欲を高めることを目的に、青梅市自立センターに福祉農園が開園されました。こちらに、「ぶどうの苗木」が移植され、これ以降は青梅市自立センターの福祉農園で大切に育てられることになりました。
青梅市自立センターでは、当初から「自分たちの育てたぶどうで青梅産のワインができれば」と、土壌の改良に努めるなど、毎年、丹精を込めて大切に育てていただきました。
この「青梅産ワイン」への熱い願いは、平成10(1998)年度に、関係者の協力を得て実現し、広く市民に名称を募集した結果、「おうめワイン・ボッパルトの雫」と命名されて現実のものとなり、市内の酒屋さんの店頭で販売され、大変好評で、即日完売となりました。
当初に苗木が送られてから20年以上が経過し、老朽化を要因と思われた収穫量の減少により、改めて平成20(2008)年にボッパルト市から、ぶどうの苗木である白ワイン用の「リースリング」に加え、赤ワイン用の「ロメオ」という品種の苗木を贈っていただきました。
これを契機に、平成21年にはボッパルト市と地形的に似た傾斜地で、水はけの良い適地として、新たに成木2丁目の農地を福祉農園としてお借りし、検疫を終えた「リースリング」および「ロメオ」を植樹しました。
こちらの農園では、地元を熟知している成木農業者振興会の方々がぶどうを育てています。
そして、平成30(2018)年には、赤ワインの販売も始めました。
平成30(2018)年10月に国税庁による「果実酒等の製法品質表示基準(平成27年10月30日号外国税庁告示第18号)」が適用開始となりました。この基準では、ワイン名称に地名を入れる際には、地名が示す範囲内にぶどう収穫地(85%以上使用)および醸造地がある必要があります。
ワインの製造に関して、ぶどうは青梅市で100%収穫していますが、醸造を市外で行っているため、税務署の指導により「おうめワイン・ボッパルトの雫」の表示ができなくなりました。そのため、これ以降はワインの名称を「ボッパルトの雫」とし、ぶどうの収穫地として「青梅産リースリング」や「青梅市産ロメオ100%」と表示しています。
ぶどうの実の収穫量は天候に大きく左右されます。近年の記録的な猛暑により、ぶどうの実の収穫量に影響が出始めています。
令和5(2023)年8月のリースリングの収穫量は3,980キログラムで、約4,300本のワインがつくられました。これに対して令和6(2024)年8月のリースリングの収穫量は1,369キログラムで約1,200本となり、収穫量、製造本数ともに大きな変動がありました。
ぶどうの木の栽培に関しては、引き続き専門家の意見を聞き、一定の収穫量が確保できるよう、大切に育てていきたいと考えています。
令和7(2025)年の夏以降に販売するワインから名称を変更します。
詳しくは「ワイン「ボッパルトの雫」の新名称を募集します」をご覧ください。
ぶどうの苗は、青梅市自立センターおよび成木2丁目の福祉農園において、自立センターや成木農業者振興会の方々を中心に、様々な方々の御協力を得て、大切に育てられています。
毎年8月後半頃に収穫されるリースリング種の友好のぶどうは、山梨県の笹一酒造で醸造され、白ワインになります。
このワインは、例年1月下旬頃、720mlのボトルで販売されます。さわやかで口当たりが良いワインです。
成木2丁目福祉農園では、ボッパルト市から贈られた赤ぶどう「ロメオ」も育てています。
このぶどうは、毎年8月上旬頃に収穫し、練馬区にある東京ワイナリーにて1年近く醸造され、赤ワインになります。
味わいはライトボディに仕上がっており、例年8月上旬から中旬頃に、720mlのボトルで販売されます。
市外のみなさんにワインを通じて、青梅市の取り組みを広く知っていただくことを目的として、これまで市内のみで販売をしていた「ボッパルトの雫」を青梅市へのふるさと納税の返礼品として登録しています。
ドイツ・ボッパルト市との長い交流の歴史から誕生した「ボッパルトの雫」は、多くの方の協力を得て醸造・販売をしており、青梅市とボッパルト市の姉妹都市交流に関する取組みが、一つの商品として実を結んだ重要な資源の一つです。
[注意事項]
※青梅市へのふるさと納税による返礼品は、青梅市民の方は受け取ることが出来ませんので、ご注意ください。